• "南牧村"(/)
ツイート シェア
  1. 長野県議会 2020-10-02
    令和 2年 9月定例会本会議-10月02日-05号


    取得元: 長野県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-16
    令和 2年 9月定例会本会議-10月02日-05号令和 2年 9月定例会本会議 令和2年10月2日(金曜日)  出席議員(56名)   1 番 熊谷元尋    28 番 中川宏昌   2 番 望月義寿    29 番 清水純子   3 番 小林君男    30 番 小池久長   4 番 清水正康    31 番 酒井 茂   5 番 加藤康治    32 番 堀内孝人   6 番 川上信彦    33 番 石和 大   7 番 山田英喜    34 番 依田明善   8 番 大井岳夫    35 番 山岸喜昭   9 番 丸茂岳人    36 番 小島康晴   10 番 寺沢功希    37 番 小林東一郎   11 番 花岡賢一    38 番 毛利栄子   12 番 池田 清    39 番 和田明子   14 番 山口典久    40 番 諏訪光昭   15 番 小山仁志    41 番 丸山栄一   16 番 竹内正美    42 番 小池 清   17 番 竹花美幸    43 番 宮本衡司   18 番 宮下克彦    44 番 清沢英男
      19 番 大畑俊隆    45 番 垣内基良   20 番 共田武史    46 番 鈴木 清   21 番 丸山大輔    47 番 高村京子   22 番 髙島陽子    48 番 宮澤敏文   23 番 荒井武志    49 番 西沢正隆   24 番 埋橋茂人    50 番 風間辰一   25 番 続木幹夫    51 番 佐々木祥二   26 番 中川博司    52 番 向山公人   27 番 両角友成    53 番 平野成基   54 番 本郷一彦    56 番 服部宏昭   55 番 萩原 清    57 番 望月雄内         ─────────────────── 説明のため出席した者   知事        阿部守一     公営企業管理者   小林 透   副知事       太田 寛     企業局長事務取扱   副知事       小岩正貴     財政課長      矢後雅司   危機管理部長    竹内善彦     教育長       原山隆一   企画振興部長    伊藤一紀     警察本部長     安田浩己   総務部長      関 昇一郎    監査委員      田口敏子   県民文化部長    増田隆志   健康福祉部長    土屋智則   環境部長      猿田吉秀   信州ブランド推   熊谷 晃   進監兼営業局長   産業労働部長    林 宏行   観光部長      中村正人         ─────────────────── 職務のため出席した事務局職員   事務局長      小山 聡     議事課課長補佐   小山雅史   議事課長      百瀬秀樹     兼委員会係長   議事課企画幹兼   丸山俊樹     議事課担当係長   山田むつみ   課長補佐               総務課課長補佐   川村亜由美                      兼庶務係長                      総務課担当係長   青木武文         ───────────────────  令和2年10月2日(金曜日)議事日程    午前10時開議    行政事務一般に関する質問及び知事提出議案に対する質疑    議員提出議案(日程追加)      ─────────────────────────  本日の会議に付した事件等    行政事務一般に関する質問及び知事提出議案に対する質疑    請願・陳情提出報告、委員会付託    議員提出議案         午前10時開議 ○議長(小池清 君)これより本日の会議を開きます。  本日の会議は、昨日に引き続き行政事務一般に関する質問及び知事提出議案に対する質疑であります。          ━━━━━━━━━━━━━━━━━━ △行政事務一般に関する質問及び知事提出議案 ○議長(小池清 君)次に、行政事務一般に関する質問及び知事提出議案を議題といたします。  順次発言を許します。  最初に、埋橋茂人議員。       〔24番埋橋茂人君登壇〕 ◆24番(埋橋茂人 君)おはようございます。改革・創造みらいの埋橋茂人です。通告に従い順次質問いたします。全部新型コロナ関連ですので、一気通貫でまいります。  1番目、医療機関の維持対策について伺います。  6月定例会で、私を含め多くの議員から、医療機関の経営が収入減少と費用増加で大変な状況になっており、国、県の抜本的な経営支援策が必要だとの強い要望、意見がありました。知事も同様の認識に立たれ、長期にわたる対策として、国の診療報酬の3倍引上げ、無利子無担保の融資等に加えて、県としても医療体制の維持、医療機関の支援に取り組んでいく。ただ、非常に広範かつ大規模に財政的な影響を受けており、県だけでは大変難しいので、国に引き続き強力な支援を求めていくとの答弁がありました。  今定例会においても、新型コロナ関連で約501億円の補正予算が計上されていますが、医療・介護関係の予算は約129億円でおおよそ4分の1です。また、対象事業も対症療法的なものがほとんどで、経営を直接支援するものとは言い難いものです。  そこで、知事に伺います。  知事は、医療機関への支援はこれまでの補正予算等の対応で十分だとお考えでしょうか。不足だとすれば、どのような施策と予算額が必要だとお考えですか。また、今後国に対してどのような支援策を求めていくのか、伺います。  続いて2番目、感染症専門医・看護師の確保養成について健康福祉部長に質問します。  専門医制度における基本領域専門医の19領域の中には感染症医は含まれていませんが、29領域からなるサブスペシャリティー領域専門医には含まれています。また、看護師の資格認定制度の中で、9月29日現在、県内では感染症の専門看護師は1名のみ、認定看護師432名中感染症分野は70名です。今後も、新たな感染症の発生が懸念されることから、感染症の専門家の養成は極めて重要だと考えます。今後の感染症専門医や感染症専門の看護師の確保養成方針を伺います。  三つ目、インフルエンザとの同時流行回避、軽減対策について健康福祉部長に伺います。  国も、インフルエンザと新型コロナとの同時流行回避に動き出したことを評価したいと思います。また、手指の消毒やうがいの励行、マスクの着用効果からか、9月13日現在のインフルエンザ患者は前年比で1,000分の1以下となっていることは大変よい状況だと思います。  しかし、同時流行回避のため、さらに取り組むべきだと考えますので、以下、伺います。  一つ、インフルエンザワクチンの国内確保量は過去5年で最大の約6,300万人分が確保されているとのことですが、県内確保量はどれくらいですか。  二つ目、原則として10月1日から予防接種法に基づき65歳以上の高齢者、次いで10月26日から医療従事者、65歳以下の基礎疾患を有する方、妊婦、生後6か月以上の乳幼児から小学2年まで、そして、介護関係者の順に優先的な接種がされるということですが、県内におけるタイムスケジュールはいかがですか。  三つ目、いずれも接種希望者が対象ですが、多くの方に接種をしてもらうためには何らかの対策を講ずるべきだと思いますが、いかがですか。また、高齢者世帯や独居世帯等情報が伝わりにくい皆さんへの周知方法はどうされますか。  大きな四つ目です。コロナ禍を踏まえた長野県の産業構造等について伺います。  食料、医薬品、医療器材等必要最低限のものは自国で確保すべきであり、行き過ぎたグローバリズムの見直しが必要であることがコロナ禍により明らかになったと思います。国家で確保すべきナショナルミニマムと地域で確保すべきローカルミニマムがあると思いますが、ローカルミニマムこそ知事の基本政策である地消地産、エネルギー自給そのものだと思います。  そこで、知事にお尋ねします。  コロナ禍を踏まえた今後のあるべき長野県の産業構造と、そこにどのように誘導していくのか、伺います。  関連して、産業労働部長に雇用の状況と今後の対策について伺います。  急速に雇用情勢が悪化しており、県の有効求人倍率も1.0を割りました。雇用調整助成金の受給者は、支給が終了すれば失業者になる確率が残念ながら高いものと思われます。  そこで、二つ伺います。  現在の県内の雇用情勢と今後の見通し、対応策を伺います。  二つ目です。菅新首相が、日本の生産性向上のために中小企業基本法を見直すと言われましたが、私は、別の観点から、今後あるべき産業構造を踏まえて、コロナ禍においては産業政策と労働政策を分離することも必要ではないかと思います。ウィズコロナ、アフターコロナに向けて、産業構造の変化に伴う労働者のスキルアップ策はどのようにお考えですか。また、それに対する国、県の支援措置はいかがですか。  具体例を挙げてコロナ禍がもたらしている事例の一端に触れます。フードバンクや信州こどもカフェ等の運営がコロナ禍で困難になっていますが、現状認識と対応を県民文化部長に伺います。  一つ、県内のフードバンク、フードドライブ信州こどもカフェの運営について、コロナ禍の前後で開催状況にどの程度影響があったのか、伺います。  二つ、こども食堂は、食事の提供だけではなく、不登校の子供たちの学習支援や触れ合い、懇談の場としての居場所の機能、また、外国人との会食等の異文化交流の場ともなっています。しかし、公民館等の公共施設が借りられず、温かい食事の提供が困難になり、食材の提供に変更している事例もあります。最も必要としている層が強く影響を受けています。  一方で、捨てられている食料が何百万トンにも及んでいることを鑑みれば、知事の信州こどもカフェに関する議案説明にもあったとおり、その一部でも活用できればと思うところです。一部量販店、食料品メーカー、果物の仲卸業者等から食材の提供等の支援もありますが、肉や魚、生鮮野菜などがなかなかタイムリーに手に入らず、大きな課題となっています。  そんな中、JAながのでは、JA店舗で購入した生鮮食料品に対して購入代金を支援しており、大変感謝されています。こども食堂は、人件費はボランティアにより、食材は持ち寄りや寄附で賄い、極めて低いコストで運営しています。県においても支援策が講じられていますが、申請手続等が大変煩雑で、申請にちゅうちょしている実態もございます。食材の調達等について、設置者の自主的な運営を損なわない方法で、例えば、こどもカフェと食品事業者との結びつきをコーディネートする等、県のさらなる具体的な支援が必要だと考えますが、いかがですか。  最後に、7番目の格差貧困対策について伺います。  コロナ禍で様々な格差問題が明らかになっています。厚生労働省の国民生活基礎調査によれば、一世帯当たりの平均所得は、2009年(平成21年)と、統計として最新の2018年(平成30年)と比較して、ほとんど変動がありません。2009年は549万6,000円で、2018年は552万3,000円と、わずか2万7,000円増加しているだけです。また、最高は2016年の560万2,000円で、最低は2013年の528万9,000円です。その差は31万3,000円です。しかし、この間、消費税や年金負担、医療・介護保険料等のアップがあり、実質所得はむしろ低下していることは明らかです。残念ながら地方創生の実が上がっていないと言わざるを得ません。  また、所得金額階級別に世帯数の相対度数分布を見ると、200万から300万未満が13.6%、300万から400万未満が12.8%、100万から200万未満が12.6%の順に多くなっています。100万円未満は6.4%、2,000万円以上は1.2%です。所得の中央値は437万円であり、平均所得額の552万3,000円より115万3,000円低い79.1%となっています。年間所得の多い富裕層が平均を押し上げているためです。  また、平成30年の相対的貧困率は15.4%、子供の貧困率は全国で13.5%です。とりわけ、平成30年の独り親世帯の貧困率は、実に48.1%にも上ります。いずれの数字も平成年間の変動は少なく、OECD諸国の中でも、日本の貧困率、ジニ係数は高い水準にあります。  そこで、健康福祉部長に伺います。コロナ以前であってもほとんど増加していない所得が、コロナ禍で急減し、貧困率の上昇が想定されますが、県としてどのように対応していくのか、伺います。       〔知事阿部守一君登壇〕 ◎知事(阿部守一 君)私には2問御質問を頂戴いたしました。  まず初めに、医療機関への支援についての現状認識、これから国にどのような支援策を求めるのかという御質問でございます。  医療機関は、新型コロナウイルスの影響で大変厳しい経営環境に置かれているというふうに認識をしております。県としても、医療機関、医療従事者の皆様方への支援を図ろうということで、3月以降、約206億円の予算措置をしてきております。この中で、県独自の支援策として、患者受入れ医療機関への協力金や危険手当に対する財政支援に取り組ませていただきました。  日本病院会等の全国組織が行った調査によりますと、医療機関の経営状況は、4月、5月に比べますと、6月、7月は持ち直してはいるものの、回復も小幅にとどまり、医業利益は前年度比マイナスということで、依然厳しい状況が続いているというふうに認識をしております。こうしたことから、今定例会におきましても、医療機関への支援等で約104億円の補正予算をお願いさせていただいております。これまでの予算額と合わせますと310億円規模の対策でございます。  国に対しては、これまで、全国知事会におきまして、医療機関の経営悪化に歯止めをかけるよう戦略的かつ継続的に対処することを要請、提言しております。また、県独自の要望としても、県の市長会、町村会と合同で医療機関に対する包括的な経営支援を求めているところでございます。  引き続き、国に対しましては、診療報酬の引き上げ、福祉医療機構による無利子無担保貸付けの拡充、公立・公的病院をはじめとする全ての医療機関に対する財政支援、こうしたことを要請してまいりたいと考えております。  続きまして、コロナ禍を踏まえた今後のあるべき長野県の産業構造とその誘導策という御質問でございます。  コロナ禍におきまして、地域経済は大変大きな影響を受けております。特に、グローバルサプライチェーンが寸断して物資供給が途絶し、生産拠点が過度に海外へ進出しているといったようなことから、グローバル化に伴う様々な負の側面が顕在化したものというふうに考えています。  今後は、海外活力の取り込み、海外との連携ということも引き続き必要だというふうに考えておりますが、他方で、地球環境や食料安全保障問題への対応、また、安定した地域社会づくりという観点で考えたときには、しあわせ信州創造プラン2.0で掲げております地域内経済循環の促進がより一層重要になっていくものというふうに考えております。  本県では、既に地消地産の推進、県産品消費の拡大、信州農畜産物の活用拡大、信州の木自給圏の構築、エネルギー自立地域の確立、こうした取組を通じて地域内の資源循環を生かす取組に着手してきているわけでありますけれども、アフターコロナを見据えて、これまで以上にこうした地域内の経済循環ということを十分意識しながら様々な政策を組み立てていきたいというふうに考えております。  そうしたことが実現できるよういろいろなインセンティブ等を検討していかなければいけないというふうに考えます。また、生産拠点の分散化、海外からの国内回帰を図ろうという企業等を誘致することができますよう、産業立地政策の見直しについても併せて進めていきたいと考えております。  以上でございます。
          〔健康福祉部長土屋智則君登壇〕 ◎健康福祉部長(土屋智則 君)順次お答えしてまいります。  最初に、感染症専門医・看護師の確保養成についてでございます。  コロナ禍を経た今、感染症専門医・看護師を確保養成していくことは、将来に向けて重要な課題であるというふうに認識しております。  感染症専門医は、一般社団法人日本感染症学会が指定する研修施設で6年以上の臨床修練を積み、試験に合格した医師を同学会が認定するものでございます。認定後も5年ごとに更新する必要があり、感染症診療や学術集会参加が求められます。  感染症専門看護師には、2種類の資格がございます。感染症看護専門看護師は、5年以上の実務経験を有し、看護系大学院修士課程を修了した者で、認定審査に合格した看護師を公益社団法人日本看護協会が認定いたします。感染管理認定看護師は、5年以上の実務経験を有し、同協会が指定する機関において600時間以上の研修を受けた者で、専門看護師と同様、認定審査合格者を同協会が認定いたします。いずれも5年ごとに更新する必要がございます。  感染症専門医・看護師の確保養成に当たっては、各資格の取得維持においてこのように一定の研修や実務経験を要しますことから、大学や医療機関と課題を共有した上で連携して取り組んでまいりたいというふうに考えております。  次に、インフルエンザワクチンについて3点お尋ねをいただきました。まず、インフルエンザワクチンの県内の確保量についてでございます。  季節性インフルエンザワクチンの県内への供給につきまして、先月18日、長野県医薬品卸協同組合と情報交換の場を持ちました。そこで得られた情報によりますと、メーカーから各都道府県の卸への供給は、昨年度の実績ベースで行われ、本県においては約92万人分のワクチンが入荷予定とのことでございます。  本年度増産される昨年使用量の12%分につきましては、当面メーカーに留保され、今後インフルエンザの流行状況などを見ながら追加供給されるのではないかということでございました。  次に、優先接種者のタイムスケジュールについてでございます。  国におきましては、65歳以上の方などの定期接種対象者については今月1日から、医療従事者などの日本感染症学会の提言で接種が強く推奨されている方については26日からと、接種時期をずらした上で早めの接種を呼びかけております。  本県におきましても、これと同様に、1日から定期接種対象者に早めの接種を呼びかけますとともに、県の専門家懇談会において御意見をいただきました医療従事者、基礎疾患を有する方、高齢者施設、介護施設の従事者についても早めの接種に可能な限り御配慮いただくよう市町村や医師会に依頼したところでございます。  次に、多くの方に接種してもらうための対策と周知方法についてでございます。  インフルエンザワクチンをより多くの方に接種していただくために、県といたしまして、二つの点で呼びかけを行っております。  一つ目は、接種に当たっては、あらかじめ医療機関に電話で御予約をいただくようお願いをしております。これにより、医療機関における必要なワクチンの確保に役立ちますとともに、限りあるワクチンを余すことなく活用できるものと考えております。  二つ目は、重症化リスクの高い高齢者等の定期接種対象者に優先的に接種していただけるよう、昨日からテレビ、ラジオのスポットCMを活用し、早めの接種を呼びかけております。  引き続き、市町村や医師会の御協力もいただきながら、より必要とされている方が確実に接種できますよう取り組んでまいりたいと考えております。  最後に、貧困対策の対応についてであります。  仕事を失うことにより収入が急減し、生活に困窮する世帯が増えている状況の中で、深刻な状態になる前に早期に適切な支援機関につなぎ、必要な支援を行うことが重要であると考えております。  生活就労支援センター「まいさぽ」では、相談者の生活状況を丁寧に聞き取り、緊急小口資金等による生活資金の確保、また、ハローワーク等と連携した就労先の確保、さらには食料品が不足する世帯に対しましてはフードバンクによる食料支援を行うなど、生活の安定に向けて様々な手を尽くして支援に取り組んでおります。  また、生活不安に伴い、子供の生活や学習に関する相談、心の不調や悩みを抱える方の相談も多く、それぞれ適切な支援機関につなぐなど、きめ細かく対応をしております。  県民の命と暮らしを守る最後のセーフティーネットとして生活保護がございます。県では、様々な窓口での相談を通じて、必要な方が福祉事務所につながり、生活保護が受けられるよう関係機関との連携を図っているところであり、県民の皆様にはためらわず相談していただくよう引き続き周知をしてまいりたいと考えております。  以上でございます。       〔産業労働部長林宏行君登壇〕 ◎産業労働部長(林宏行 君)2点御質問をいただいたうち、まず、県内の雇用情勢と今後の見通し、対応策についてお答えいたします。  先ほど発表されました8月の県内有効求人倍率は0.98倍となり、これは、平成25年12月以来の低い水準となっております。求職者数の動きは、雇用調整助成金の特例措置等により雇用がおおむね維持されていることから落ち着いている一方、新型コロナウイルスの影響が幅広い産業分野に広がり、新規求人が大きく落ち込んだことが求人倍率を押し下げた原因と労働局からお聞きしているところです。  このため、県では、民間の雇用創出を促すべく、ハローワークの求人確保対策本部と共同で、市町村や経済団体等から協力を得ながら企業への求人の働きかけや掘り起こしに取り組むとともに、就業支援デスクを通じて失業者を正規雇用した事業所に緊急雇用対策助成金を支給する事業を盛り込んで、このたびの補正予算とさせていただいております。  今後、雇用情勢の悪化も想定されることから、雇用調整助成金の特例措置の延長や緊急雇用創出基金事業等の実施などを全国知事会を通じて国に要望しているところであります。  次に、産業構造の変化に伴う労働者のスキルアップ策についてでございます。  コロナ禍によって労働需要にも変化が見られつつあり、各産業分野に求められる技能に応じた能力開発の充実が急務との認識の下、人材不足分野の職業訓練はもとより、分野を超えてニーズの高いIT技術者の育成確保に取り組んでいるところであります。  具体的には、離転職者に対しましては、人材不足が顕著な介護、保育、建設などの専門コースに加え、IT系のコースを増設し、県では年間約1,300人、国のポリテクセンターでは約1,400人の受講を支援することとしております。他方、在職者に対するスキルアップ講座につきましては、製造業などの技能実習支援に加え、製造工程のデジタル化に対応した講座を設けたところであります。  今後とも、国や民間の教育訓練機関とも連携しながら支援体制の充実に取り組んでまいります。  以上でございます。       〔県民文化部長増田隆志君登壇〕 ◎県民文化部長(増田隆志 君)私には、フードドライブ信州こどもカフェに関しまして二つ御質問を頂戴しました。  一つ目の開催状況についてでございますが、フードドライブの実施団体から聞き取ったところによりますと、定期的に開催するフードドライブにつきましてはコロナ前後でおおむね回数に変化はございませんが、各種のイベントに併せて毎月3回から5回程度開催されていたものは、感染者数の拡大によりイベントが相次いで中止になった影響で開催ができなくなっていると聞いております。  また、信州こどもカフェにおきましては、感染拡大リスクの懸念から、3月は開催を控える団体が多く、開催された団体は2割弱でございました。その後、緊急事態宣言解除後には開催団体も増加し、8月には約7割まで回復いたしました。しかしながら、8月末から県内の感染者が増加するに伴い、開催に慎重になるこどもカフェが増え、9月の開催は約6割程度にとどまっております。  運営団体からは、今までフードドライブから無償で譲り受けていた食材を購入しなければならず、食材費の負担が大きくなった。通常なら会場で調理し食事提供するところ、弁当配付に切り替えているため容器代や配送料等の経費がかかるようになった。広い会場を確保するための経費の負担が大きいといった声を伺っております。  二つ目の食材調達等について県のさらなる支援が必要ではということについてでございます。  県では、コロナの感染拡大を受けまして、フードドライブの実施団体に対し、長野県将来世代応援県民会議を通じて活動費の助成を行いましたほか、県庁及び各合同庁舎でフードドライブを開催し、団体の食材調達を支援してまいりました。  また、こどもカフェに対しましては、信州こどもカフェ運営支援事業補助金の対象経費に弁当配付に係るものを加える改正を行いまして、普段と異なる対応が必要となるこどもカフェの運営を支援してきたところでございます。  しかしながら、コロナの影響が長期化しておりますことなどから、信州こどもカフェ運営支援事業補助金を増額し、また、食品製造業が行う在庫品の廉価販売をこどもカフェ等にも紹介するためのサイトを構築することとし、この機会に補正予算をお願いしているところでございます。  こうした取組を活用していただきますよう、御質問にございました補助金の申請方法についても個別に相談に応じるなど、各運営団体の状況を把握しながら丁寧な支援に努めてまいります。  また、御提案のございましたこどもカフェと食品事業者とのコーディネートにつきましては、これまで、食品事業者から食品提供の申出があった場合にはその都度こどもカフェを紹介してきたところでございます。  今後は、食品関係団体に対し、こどもカフェのマップを配付するなど積極的に食品の提供を呼びかけまして、こどもカフェと地域の食品事業者との仲介役を果たしてまいりたいと考えております。  以上でございます。       〔24番埋橋茂人君登壇〕 ◆24番(埋橋茂人 君)それぞれ御答弁をいただきました。  感染症の専門の医師、看護師についてですが、県には県立看護大学という機能があり、大学院課程も設けられているというふうに聞いております。ここで養成していくお考えはないでしょうか。お答えいただければ、お願いをしたいと思います。  もう一つ、産業労働部長からお話がありました休業者の関係ですが、解雇、雇い止めが7万人とも8万人とも言われていますが、実際はもっとはるかに多いということをいろいろな方から伺っております。ここが顕在化してきた場合、今のような対症療法だけでは追いつかないと思いますので、早く手を打っていただきたいと思います。  また、こども食堂については随分前向きなお答えを頂戴しましたけれども、本当に困っているようでございますので、手当をよろしくお願いしたいと思います。  以上です。       〔健康福祉部長土屋智則君登壇〕 ◎健康福祉部長(土屋智則 君)看護大学が専門看護師の養成について役割を担うということについてでございますが、看護大学も大学教育だけでこの資格を取れるわけではございませんので、医療機関等と連携し、持っている能力をしっかりと活用して、認定看護師の育成に寄与できるように取り組んでまいりたいというふうに考えてございます。 ○議長(小池清 君)次に、加藤康治議員。       〔5番加藤康治君登壇〕 ◆5番(加藤康治 君)初めに、新型コロナウイルス感染症への対応について伺います。  7月中旬以降新型コロナウイルス感染症の感染者が再び増加し、ここ最近は小康状態を保っていますが、この波も確実に収束させていくことが重要です。  本県においても、新型コロナの感染拡大防止と社会経済活動の両立に取り組んでおりますが、事業者の方などから話を伺うと、例えば、いまだ4月に入社された方の歓迎会が行われていないなど、感染を恐れるあまりこれまで行っていた社会経済活動を行うことができないケースが見受けられます。ワクチンが開発され、接種が可能になるまでの間、県民が不安なく社会経済活動を行えるような環境整備への対策を行っていく必要があります。  先日も、知事と長野市長によるこれからの会食モデルを考える懇談会が行われたようですが、県民の感染防止や社会経済活動の促進につなげるため、飲食や観光、イベントなど社会経済活動の具体的な実践方法を分かりやすく県民に示す必要があるのではないかと考えます。県としてこれらの取組を速やかに行うべきと思いますが、御見解を伺います。  事業所内での新型コロナへの感染も確認されております。事業者からは、万が一自分が働く事業所内で感染が確認された場合にどのような対応をしてよいか分からず、大変不安だとの声とともに、事業所内での感染を未然に防止するため日頃から事業所で行うべき対策を教えてほしいとの声もあります。事業所等における日頃からの感染防止策をさらに分かりやすく、くまなく浸透させるよう広く周知すべきと考えるが、いかがか。以上を危機管理部部長に伺います。  コロナ禍においても、未来を担う子供たちの学びの保障の確保が重要と考えます。6月22日付で文部科学省から令和3年度高等学校入学者選抜等の実施に当たっての留意事項について通知がされており、試験会場等における感染症対策、追検査等による受検機会の確保、試験の実施が困難な場合の対応等について依頼されております。  これらに関連しますが、私は、昨年9月定例会で、インフルエンザに罹患してしまった県立高校入試の受験者等に対し、本県においても追検査等何らかの措置を行うことを提案させていただきましたが、状況は一向に進展しておりません。  そこで、今回の通知を踏まえ、県立学校入試における志願者同士の間隔の確保、入退場の時間をずらすなど、感染症対策の徹底についてどのような検討がされているか。また、感染拡大により試験の実施が困難な場合の対応等万が一に備えた準備についての検討状況、さらに、児童生徒が新型コロナに感染または濃厚接触者となることを想定し、県立学校入試における追検査の導入等、新型コロナの感染等により不利益を被ることがないような措置を講ずるべきと考えますが、対応策を教育長に伺います。  新型コロナ感染拡大の影響によるアルバイト収入の激減等で困窮する学生に対し、国による学生支援緊急給付金の支援が創設されるとともに大学独自の支援も行われておりますが、大学の経営状況により独自の支援に差が生じているという状況もあります。そこで、長野県立大学の学生への支援とともに県内大学の状況について伺います。  また、県内から海外への留学生については、留学に伴い、住民基本台帳に記録されていない場合には特別定額給付金などの支援を受けられないことに加え、海外においても感染拡大によりアルバイト収入が絶たれる、また、日本に帰国できないという状況があります。向学心を持って海外留学されている方に対し何らかの支援を行うべきと考えますが、県としてこの状況をどのように把握し、取り組んでいくか。以上を県民文化部長に伺います。  新型コロナウイルス感染症対策に関連し、地方創生臨時交付金の活用について伺います。  本県においては、約225億円が配分されていますが、今回の補正予算案も含め、これまでに約188億円が予算化されております。この臨時交付金については、現状の感染拡大防止とともに、アフターコロナへ向けた未来への投資に活用していくことも認められております。この観点として、今回の新型コロナを契機として地方へ移住する流れが生まれつつあり、この機運を的確に捉えるべきです。  今回の補正予算案に、人や企業の信州回帰の促進として、都市部等からの新たな人の流れを創出する事業が計上されておりますが、全国との競争になることを踏まえると、明確な数値目標を掲げて取り組むべきと考えます。当該事業により、本県の移住、定住の成果へとつながる具体的な取り組み方について企画振興部長に伺います。  また、現状の感染拡大防止の観点として、高齢者の重症化を防ぐことが重要と考えます。本県は全国を上回る水準で高齢化が進んでいることを踏まえ、高齢者のインフルエンザへの感染や重症化の予防、医療機関の負担軽減を図るため、高齢者の予防接種勧奨を促すためにも、各市町村で実施している高齢者へのインフルエンザ予防接種の補助について県としても上乗せで補助するなど、市町村と協調して検討すべきと考えるが、いかがか。健康福祉部長に伺います。  次に、2050ゼロカーボンの実現に向けた取組の推進について伺います。  記録的な大雨等の異常気象が頻発しており、昨年の東日本台風災害に続き、令和2年7月豪雨災害は我が県に甚大な被害をもたらしました。WMO(世界気象機関)では、近年の異常気象は長期的な地球温暖化の傾向と一致していると発表しております。二酸化炭素など温室効果ガスの継続的な排出が起因となり、豪雨の頻度の増加、熱帯低気圧の強度の増大、海面水位の上昇など、人々の暮らしに甚大な影響が生じることとなり、人間社会の存続を脅かす強い危機感を抱いております。  本県も、県政史上かつてない大規模な災害の経験から、県として気候非常事態宣言を行うと同時に、2050年に二酸化炭素排出量を実質ゼロにすることを表明しました。また、その実効性を確かなものにするため、議員提出議案により、長野県脱炭素社会づくり条例案、通称ゼロカーボン条例案が今定例会に上程される予定です。  今こそ、将来世代の生命と財産を守るため官民を挙げて取り組まなければならない重要な課題である気候変動対策に、相当な覚悟を持って取り組まなければなりません。再生可能エネルギー導入の一環として本県においても太陽光発電の普及が拡大しておりますが、太陽光パネルの製品寿命が約20年から30年とされている中、廃棄に向けた課題が顕在化してくると想定されます。  本年6月、エネルギー供給強靱化法が国会で可決、成立し、2022年4月1日より施行されることとなっております。この法律では、事業用太陽光発電事業者に対し、解体、撤去、廃棄物処理等の廃棄費用の外部積立てが原則義務化されることとなりましたが、中間処理施設も全国的にはまだ多くない中で、将来的な廃棄を想定し、廃棄方法などを県として体系づけ、確立していく必要があると考えます。そこで、法案成立を踏まえ、今後の県としての太陽光パネル等の適正な廃棄に向けた対策について環境部長に伺います。  今回の補正予算案では気候変動対策の取組に関する予算も計上されておりますが、今後さらに様々な角度から踏み込んだ二酸化炭素の排出抑制施策を体系化し、実行に移していくべきと考えます。  気候変動により、今や長野県の夏も35度を超える猛暑日を何日も経験するようになりました。このことから、子供たちの学習環境改善に向け、現在、全ての学校にエアコン設置が進められております。県内約670校へのエアコン導入により学習環境が改善される一方で、二酸化炭素排出量が一層増加する新たな課題に直面します。  また、別の課題として、長野県の冬は厳しい寒さであり、暖房を導入していても、老朽化している校舎が多いことから、熱効率も悪く、子供の学習環境にとってみれば決して整った状況ではありません。このことから、二酸化炭素抑制、学習環境の改善の両方の視点で学校施設の二重サッシ化を検討している学校もあり、県町村会でも議題になっていると伺っています。  昨年から今年にかけて南箕輪小学校で行った二重サッシ化の実証実験では、夏場の窓からの日射量は既存の窓に比べ約60%削減、省エネルギーの観点では、夏場で電力量が38%、冬場で灯油量が27%削減されたとの結果もお聞きしているところです。  今申し上げたのは一例ですが、このような市町村と連携した二酸化炭素削減への取組の推進、また、県有施設の二酸化炭素削減に向けたさらなる取組、環境教育や県民の協力など、2050ゼロカーボン実現に向けたロードマップを明確にするとともに、実効性ある具体的施策を検討の上、速やかに着手し、来年度に向け国にも支援を要請していくべきと考えますが、今後の構想や方向性、現時点で考えておられる施策について知事に伺います。       〔危機管理部長竹内善彦君登壇〕 ◎危機管理部長(竹内善彦 君)2点御質問をいただきました。  まず、社会経済活動の具体的な実践方法を分かりやすく県民に示す取組についての御質問でございます。  これまで、「新たな日常のすゝめ」や感染拡大防止ガイドラインの周知徹底のほか、県の対応方針を改定し、感染状況に応じて県民や事業者の皆様に感染防止策や社会経済活動の再開を働きかけてまいりました。  社会経済活動の実施に関しては、ウィズコロナの下で安全、安心で楽しい旅ができるように気をつけていただきたいことをまとめた「新たな旅のすゝめ」を作成したり、対応方針においてはイベントに関する開催基準を明記し、感染防止策を徹底したイベントについては開催が可能であることを周知するなどしております。  また、このたび、第2波について感染状況、医療や対策について振り返りを行い、特徴や傾向などを取りまとめましたが、今後とも国の基準や新しい知見、県内の状況を基に、社会経済活動の再開に必要な情報の提供に努めてまいります。  次に、感染防止策の広く分かりやすい周知についての御質問でございます。  県では、事業者に対し、適切な感染防止対策の徹底を促すため、10圏域全ての地方部にガイドライン周知・推進チームを設置し、市町村や関係団体と連携して、感染拡大予防ガイドラインの周知徹底をこれまで5,000を超える事業所に呼びかけてまいりました。  特に、酒類を提供する飲食店などへの直接訪問のほか、許可・更新申請等のため地域振興局等に訪れた事業者への呼びかけ、会議や研修会、広報車による広報など、様々な機会を活用してガイドラインの遵守を促しております。  また、周知に当たっては、ガイドラインのポイントをまとめた概要版や事業者が特に遵守すべき項目のチェックリストなどにより、分かりやすい周知に努めております。  新しい生活様式の実践を徹底するため、引き続き市町村や関係団体と連携しながら、様々な機会を捉えて事業者へのガイドラインの浸透を図ってまいります。  以上でございます。       〔教育長原山隆一君登壇〕 ◎教育長(原山隆一 君)令和3年度高等学校入学者選抜における新型コロナウイルス感染症への対策について3点御質問をいただきました。  まず、1点目の感染症対策の徹底についてでございますが、検査会場等の感染症対策については、基本的な感染症対策や3密となる状態を避ける配慮を行うよう、ソーシャルディスタンスの確保、マスクの着用や検査室の消毒、換気の徹底、受付時や休憩時間の混雑や密集の回避などについてのマニュアルを今後作成、周知し、対策に遺漏のないよう徹底していくこととしているところでございます。  次に、試験の実施が困難な場合の対応等についてでございます。  入学者選抜を予定どおり実施することが困難な場合の現実的な想定としては、特定の地域の蔓延状況が極めて深刻で当該地域の入学者選抜が困難といった場合が考えられるところであります。そうした場合においては、追検査の実施等、受験機会の確保を図ってまいりたいというふうに考えております。  3点目の志願者が新型コロナに感染した、あるいは濃厚接触者となった場合の対応であります。  新型コロナウイルスに感染した、または濃厚接触者として特定された志願者につきましても、追検査の実施等が行えるよう準備を進めているところでございます。
          〔県民文化部長増田隆志君登壇〕 ◎県民文化部長(増田隆志 君)2点御質問をいただきました。  1点目の県立大学の学生への支援及び県内大学の支援の状況についてでございますが、県立大学におきましては、学生からの相談にきめ細かく対応しながら、コロナ禍における経済的困窮によって学業が継続できなくなるということのないよう学生の状況把握に努めているところでございます。  現時点では、国の修学支援新制度や学生支援緊急給付金等の制度による支援を実施することにより、修学継続が困難になるといった状況は避けられていると承知しております。今後も、コロナ禍の長期化など、状況に注意しながら、経済的な理由で修学を断念することのないよう、大学独自の支援も含め、必要に応じて適切な対応を取ってまいります。  県内の大学、短大におけるコロナ禍に対応するための独自支援につきましては、担当課において調査いたしましたところ、県内の18校中7校で遠隔授業の環境整備に関し全学生に対して支援金を給付しているほか、1校で学生納付金の一律減免を行っています。  2点目の海外留学生の状況把握、支援についてでございます。  県内各大学には、新型コロナウイルスによる授業や学生への影響、対応状況などについて随時お聞きをしているところでございます。現在、二つの学校で9名の学生が海外留学中であり、大学からは、それぞれの学生が留学先において修学が継続できている状況というふうにお聞きしております。  海外留学生への対応に関しましては、文部科学省から各大学に対して、留学生の修学や生活の状況を把握し、支援制度について幅広く情報提供を行うなど学生からの相談にきめ細かなサポートを行うよう通知されているところでもございます。  議員御指摘の海外留学生への影響も含め、新型コロナウイルス感染症は学生の進学や大学運営に大きな影響を及ぼしているところでございます。引き続き、各大学とコミュニケーションを取り、状況を把握する中で、必要に応じて国に対して要望を行うなど、適切な対応を取ってまいりたいと考えております。  以上です。       〔企画振興部長伊藤一紀君登壇〕 ◎企画振興部長(伊藤一紀 君)都市部からの人の流れを創出する事業につきまして、数値目標も含め、移住、定住への成果とつながる具体的な取り組み方についてのお尋ねです。  信州創生のため、移住、定住とつながり人口の拡大に鋭意取り組んでいるところですけれども、とりわけ、今年度は、仕事と暮らしをセットに人を呼び込む取組を重点的に行っているところであります。これを加速するため、今回の補正予算案に先ほどの地方創生臨時交付金も活用したプロモーションを強化する事業を計上し、御審議をお願いしているところであります。  例えば、訴求力のあるメディアとの連携、ウェブサイトの閲覧結果を分析して発信内容を改善していく仕組みの構築などに戦略的に取り組んでいくこととしております。  また、リゾートテレワークや企業誘致、さらにはまちづくりやDXの推進など、長野県の魅力を高めながら新しい人の流れをつくり、移住、定住へとつなげていけるよう、関係部局と連携して進めてまいります。  おかげさまで、長野県は移住したい県日本一の評価を長年いただいておりまして、市町村や民間の企業とともにオール信州で取り組んできた結果、平成28年度に約2,000人、昨年度、令和元年度で約2,300人と、移住者数も増加傾向にございます。  県としましては、しあわせ信州創造プラン2.0に掲げます2022年度の移住者数2,900人を達成すべく、取組を加速してまいります。  以上です。       〔健康福祉部長土屋智則君登壇〕 ◎健康福祉部長(土屋智則 君)市町村が実施する高齢者へのインフルエンザ予防接種補助の上乗せについてのお尋ねでございます。  御提案のございました市町村が実施する予防接種への補助につきましては、補助額や負担方法なども含めまして実施の可否を検討した経過がございます。  しかしながら、市町村によっては、子供の接種に対して助成を行い、予防接種を促進するといった方針を掲げるところもございまして、全県で高齢者への補助拡大という方向で足並みをそろえることが困難な状況にあったこと、また、市町村や医療機関では既に定期接種事業の準備が進んでおり、混乱を来すおそれがあったことなどを踏まえまして、市町村の御意見も伺う中で実施に至らなかったところでございます。  本県における定期接種の対象である65歳以上の高齢者等の接種率は例年60%前後であり、全国平均より10ポイントほど高い状況になってございます。新型コロナウイルス感染症との同時流行が懸念されます本年はこれをさらに引き上げていく必要があると考えております。  この点については、先日、市長会、町村会との意見交換において協力をお願いし、了解いただいているところでございまして、今後もしっかりと連携して取り組んでまいりたいというふうに考えております。       〔環境部長猿田吉秀君登壇〕 ◎環境部長(猿田吉秀 君)2050ゼロカーボンに関連しまして、太陽光パネル等の適正な廃棄に向けた対策についてお尋ねをいただきました。  今後、耐用年数を迎えた太陽光パネルが産業廃棄物として発生し、2040年にはピークに達して大量廃棄の時代を迎えると言われており、ゼロカーボンを実現する上でも課題と考えております。  御質問にもございましたとおり、本年6月のエネルギー供給強靱化法の成立によりまして、2022年7月から発電事業者に太陽光パネル廃棄費用の外部積立てが義務づけられることとなるため、現在、経済産業省におきまして具体的な積立ての方法等について制度検討が進められております。  また、環境省では、使用済み太陽光パネル等の処理に関するガイドラインを改定し、その中で、リユース・リサイクル技術の先進事例を紹介しておりますが、その技術を中小規模の処理業者が活用するには技術面やコスト面の情報が不足しているのが現状でございます。  太陽光パネル等を適正に処理するためには、民間の処理体制及び処理技術の確立が重要であることから、同様の問題意識を持っていただいております長野県資源循環保全協会と連携いたしまして、積立金制度、処理技術に関する情報の収集共有を図るなどして課題解決に向けた道を探り、大量廃棄時代に備えてまいりたいと考えております。       〔知事阿部守一君登壇〕 ◎知事(阿部守一 君)私には2050ゼロカーボンの実現に向けた今後の構想や方向性、そして現時点で考える施策についてという御質問を頂戴しました。  将来世代のためにも、この気候危機を本当に何とか回避しなければいけないというふうに思っております。2050年前後に二酸化炭素の排出量を実質ゼロにしていくことが世界の気温上昇を1.5度以内に抑えるということにつながるわけであります。実現していくためには、エネルギーはもとより、建築物や交通インフラ、さらには各種の産業活動、そして私たちの日常生活など、社会システム全般において急速かつ広範囲にわたっての脱炭素化を進めるということが重要だというふうに考えております。  こうしたことと併せて、これまで以上に快適で利便性が高い社会を目指して地域経済の発展と県民生活の質の向上を図っていくということが重要だと考えております。大きな方向性としては、化石燃料に大きく依存した現在の経済社会構造を転換していくために直ちに行動を起こしていかなければいけないというふうに思います。  従来の延長線ではない取組をしていく上では、私たち一人一人の意識や行動の変容、さらには新たな法制度やルールの創設、こうしたものも必要とされてくるというふうに考えております。こうした観点で国との連携もしっかり進めていくことが重要だと思っております。  こうした様々な取組を通じて、気候危機突破方針で示したように、最終エネルギー消費量の7割削減、そして再生可能エネルギー生産量の3倍以上の拡大を目指し、CO2排出量の実質ゼロを実現していきたいと考えております。  現時点で考えている施策は、まだ検討中ではございますけれども、高性能な住宅の普及や新たなビジネスの創出、さらには歩いて楽しめるまちづくり、こうした幅広い分野での施策を検討していく必要があるというふうに考えております。今申し上げたような観点で今後さらに検討を深めてまいります。  今年度末に取りまとめる予定の次期環境エネルギー戦略には、より具体的な今後10年間のロードマップを盛り込み、ゼロカーボンの実現に向けた取組を、県民の皆様方と一緒にスピード感を持って様々な分野でしっかり進めていきたいというふうに考えております。  以上です。       〔5番加藤康治君登壇〕 ◆5番(加藤康治 君)社会経済活動の促進に向け様々な施策が打ち出されているわけですが、県民には不安があり、感染防止対策と社会経済活動の両立への行動に移れないという状況があります。その原因の一つが、感染した場合の誹謗中傷が怖いということ、そしてもう一つが、マスク着用や手洗いの実践ということは言われているけれども、社会経済活動を行うに当たりどうすれば感染のリスクを避けることができるのか具体的な方法が分からないということだと思います。その不安を払拭するためにも、さらにもう一歩県民に対し分かりやすい説明を行っていただきたいと申し添えます。  また、子供の学びの保障につきましては、先ほど教育長から追検査の導入という前向きな御答弁をいただきました。受験生が新型コロナで不利益を被ることがないよう、今後ともぜひよろしくお願いいたします。  学生への支援については、新型コロナの影響が長期化する中、先ほど部長の答弁がありましたけれども、県内の学生が学業を諦めることが絶対にあってはならないと考えます。学生の現在置かれている状況を的確に把握すること、そして、大学とも連携を取りながら、県として取り組める支援は何なのか再考していただくとともに、国に対する支援拡充の要望についても取り組んでいただきますようお願いをいたします。  そして、ゼロカーボンの推進についてですが、太陽光発電は固定価格買取り制度が始まってから普及が進んだわけですが、まだ制度開始から10年足らずということで、太陽光パネルの廃棄が本格化してくるのはこれからではありますけれども、今から先手を打つことが重要と考えます。今後、検討の加速とともに、また、知事からも御答弁がありましたように、全国に先駆けて気候非常事態宣言と二酸化炭素排出量実質ゼロを表明した長野県として、全国をリードするゼロカーボンへの取組を積極的に行っていただきたいと思います。  また、宣言の際には想定していなかった新型コロナの発生により、社会が大きく変わろうとしております。そうした動きも的確に捉え、知事を先頭にしっかり取り組んでいただくことをお願いいたしまして、一切の質問といたします。 ○議長(小池清 君)次に、毛利栄子議員。       〔38番毛利栄子君登壇〕 ◆38番(毛利栄子 君)コロナ感染症対策について知事に伺います。  最初に、検査体制についてです。  県内の第2波は、7月中旬以降感染者が拡大し、8月28日は1日で19人が確認され、上田広域圏で連日新たな感染者が発表されるたびに蔓延するのではないかとの緊張が走りました。しかし、県や市、保健所、医療機関、商店街、地域住民の皆さんが果敢に立ち向かう中で抑え込んできました。  第2波は、無症状の感染者が少なからずいるという特徴があります。無症状の感染者は濃厚接触者として検査する中で陽性確認されることが多いことを踏まえれば、症状のないまま病原体を保有し、市中で生活している人が少なからずいるのではないかと推測されます。  この間、医療機関や福祉施設、学校、事業所などでPCR検査を広げてきていただいておりますし、上田圏域ではクラスターの発生した地域の接待を伴う飲食店で希望者にPCR検査が行われました。8月のPCR検査は7,000人近くに広がり、4月の1,300人余からは5倍以上に拡大しております。  県の専門家懇談会座長の県立病院機構理事長も、検査対象を厳密に定義された濃厚接触者以外に広げたことが感染者の早期発見と拡大防止、感染抑制につながったと述べています。大規模な行動制限は社会的ダメージが大きいため、感染拡大防止と社会経済活動を両立させるためにはPCR検査の積極的な拡大は待ったなしです。  厚生労働省は、8月7日、自治体の判断により、現に感染が発生した店舗等に限らず、地域の関係者を広く検査することが可能であるため、積極的に検査を検討していただきたいと事務連絡を出しています。  第3波が懸念されます。発熱などの症状のある場合はすぐに検査を受けられること、クラスターが発生した場合は、上田でも要望がありましたが、関係施設、関係者だけでなく、地域を面的に、網羅的に検査し、陽性者を確認した場合には直ちに保護、隔離し、感染拡大の防止と封じ込めをすべきだと考えますが、地域に広げる考え方について知事に伺います。  また、高森町や下條村、南牧村など、安全、安心のために市町村が1検体2ないし4万円の検査費用を負担して自主的に検査を行うところも増えてきています。地方自治体が積極的に行うこれらの社会的検査について国の支援を求めるとともに、県としての支援も検討していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。  県内のコロナ対応医療機関は、先ほど来議論がありましたが、厳しい経営を強いられております。1か月1億から2億の赤字、この状態が続けば医療崩壊にもつながりかねないと危機感を募らせています。県は、補正予算を組み、患者受入れ病院に対して空床確保料や危険手当などの措置をしてきており、今議会にも追加提案されていますが、あまりにも不十分です。  諏訪圏域の公立病院の関係者からお話を伺ってまいりました。医療機関は患者の命を救うために必死の努力をしている。クルーズ船の患者を初めて受け入れたときは、担当の看護師が怖くて泣き出す状況まで出てきて、看護師長がなだめながら励まし、任に就いてもらった。努力不足で経営が悪化しているわけではない。減収補填の仕組みをぜひつくってほしいと訴えておられました。  一生懸命やればやるほど赤字が増え、経営困難に陥る現状があります。この間の支援は、本来ベッドが稼働していた場合と比較して半分にも満たないとの声が上がっています。知事はこの現状をどう認識しておられますか。  自治体病院を開設する県内17の首長から知事宛てに要請が出され、医業収益が減少する中、実効性のある損失補填を求めています。医療崩壊を防ぐために、国に対してぜひ減収補填を求めていただきたいが、いかがでしょうか。  また、昨日の小林君男議員の質問に対し、知事は、県としても経営状況を見極めながら必要な対応を行ってまいりたいと答えておられますが、国の包括支援金の枠を超えた県独自のさらに踏み込んだ補償や支援策を講じていただきたいが、いかがですか。  続いて、健康福祉部長に伺います。  3波、4波も予想される中で、1波、2波の対応はどうだったのか、県としての振り返りを求めてまいりましたが、9月28日の本部会議で一定のまとめがされたことは重要です。コロナ対策は、経済対策を含め種々ありますが、感染状況の幅広い把握と、陽性者を確認した場合の保護、隔離をいかに迅速に行い感染拡大を防ぐかが鍵を握ると考えます。  過日、諏訪保健所の取組を伺ってまいりました。諏訪保健所では、1波の取組を様々な角度からきちんと分析し、2波にどう取り組むか緻密な整理がされ、課題が明らかにされていて、住民の命や地域医療を守る保健所としてのリーダーシップを果たす姿勢がつぶさにうかがえました。  感染症対策を担う健康福祉部として、この間の取組の医療圏ごとの検証をやっていただき、前進面や課題を明らかにして今後の対策に生かしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。また、季節性インフルエンザ対応の中で保健所が地域の実情に合わせて対応するとのことですが、保健所ごとの取組の現状と課題について伺います。  6月議会で両角議員が指摘したように、この30年間で、長野県の保健所数は統廃合でほぼ半減、人員も半分に減らされました。通常の業務もぎりぎりの人数でこなし、今回のようなことが起きると、通常業務を先延ばししたり、過重な働き方を余儀なくされています。  補正予算で各保健所に臨時に人を配置していただいたことは大変歓迎されており、搬送などを委託することでほっとしたとの声も聞かれています。さきの本会議で、部長は、保健所の体制強化は重要かつ喫緊の課題だと答弁されています。数年に及ぶとも言われているコロナに対応するには、他所の応援や臨時的な人員確保では限界があります。県は、今後61人を確保し、保健師はさらに13人確保するとのことですが、具体的なスケジュールと雇用形態について伺います。  次に、生活困窮者支援について部長に伺います。  長野労働局の速報値では、解雇、雇い止めは85事業所で1,109人、うち派遣が551人とほぼ5割を占めていますが、労働局把握の範囲だけなので氷山の一角とも言えます。有効求人倍率が1倍を割り込んだのは2013年12月以来、しかも、また直近で0.1下がったと先ほど報告がございました。全国平均を4か月連続下回っております。  先日も、東信地域の公園で死にたいと言っていた21歳の青年が北信地域に流れ着き、行政につないで対応する出来事がありました。アルバイトの激減で学生生活が困窮し、民青同盟信大松本班が実施したお米や野菜、レトルト食品などを無料提供する「食材もってけ市」には学生が殺到し、始まる前から80人が並び、急遽40人分を追加する事態も起こっています。  緊急小口資金、総合支援資金などの特例貸付け利用が3月から9月25日までに1万1,234件、貸付総額32億1,600万円と爆発的に広がっており、今議会に積み増しの補正23億が提案されております。当初9月末までだったものが12月末までに延長され、貸付期間も3か月から最大6か月に延長されましたが、期限が迫る利用者の生活が心配です。県としての生活困窮者に対する支援策を伺います。       〔知事阿部守一君登壇〕 ◎知事(阿部守一 君)新型コロナウイルスに関連して3点御質問を頂戴いたしました。  まず、PCR検査等の抜本的な拡充についての御質問でございます。  新型コロナウイルス感染症の疑いがある場合には、速やかに検査をしていくことが望ましいというふうに私も考えております。相談数に占める検査数のこれまでの状況を見ますと、第1波は5.8%でありましたが、第2波は43.9%ということで、飛躍的に相談に対する検査件数の割合が増えてきています。多くの御相談を速やかに検査につなげることができているものというふうに考えております。  また、クラスターが発生している地域における検査は、今回、上田地域において、中心市街地の接待を伴う飲食店等に勤務をされる方を対象として無料で実施させていただきました。今後とも、地域における感染状況を踏まえて、感染拡大を防止する必要があるというふうに考えられる場合には、例えば、医療機関や高齢者施設等に勤務される方、入院、入所者を対象として検査を実施することも含めて積極的に検査を行うことを検討していきたいと考えています。  また、幾つかの自治体では、高齢者とその御家族、帰省する学生等が希望する場合にPCR等検査費を補助する事業が実施されておりますが、国の新型コロナ臨時交付金を活用して対応されているものというふうに承知しております。  県としては、市町村や医師会とも協力し、まずは季節性インフルエンザ新型コロナウイルス感染症の同時流行に備えた検査能力、検査体制の向上、強化に全力を傾注していきたいと考えております。  それから、新型コロナウイルス感染者の受入れ病院の現状、経営についての現状認識という御質問であります。  先ほども御答弁申し上げましたけれども、私も、県内の病院関係者や公立病院を有する市町村長との意見交換をさせていただく中で経営状況についてお伺いさせていただいております。先ほど申し上げたように、非常に厳しい経営状況に置かれているという認識を持っております。  日本病院会等の調査によりますと、経営実態は、やはり患者を受け入れていない病院よりも受け入れていただいている病院のほうがより減収幅が大きいという状況になっています。また、月別には、5月が最も厳しい状況で、6月、7月については幾分持ち直している状況だというふうに認識をしております。  こうした中で、県独自のさらに踏み込んだ補償、支援についてという御質問でありますが、患者受入れ医療機関への支援については、これまで診療報酬も数度にわたって引上げが行われてきています。また、重点医療機関の病床確保料についても4月に遡っての引上げということが行われています。県としても、御答弁申し上げてきているように、これまで数次の補正予算で医療機関に対する支援を行わせていただいております。  ただ、こうした支援が、まだ医療機関に支払われるに至っていないという部分もありますので、一日も早く医療機関の皆様方に支給できるように県としても努力をしていきたいというふうに考えております。  また、新型コロナウイルス感染症を受け入れていただいている医療機関の経営の問題は我々としても直視してまいりますが、全国的な問題でもございます。知事会を通じて、あるいは市長会、町村会と共同で国に対して要請活動を行わせていただいております。県としては、これまでも様々な支援に取り組んでまいりましたけれども、今後とも病院の経営状況をしっかりと見極めた上で対応してまいりたいと考えております。  以上です。       〔健康福祉部長土屋智則君登壇〕 ◎健康福祉部長(土屋智則 君)3点お尋ねをいただきました。  最初に、1波、2波の対応の検証と今後の対策、また、季節性インフルエンザ流行期に向けた保健所の取組状況についてでございます。  各保健所における対応につきましては、クラスター事案や医療機関での感染事案などにつきまして、入院患者の受入れ調整、徹底した検査の実施、そして患者の搬送など、対応に苦慮した点を中心に検証をそれぞれ行っております。今後に生かすべく、保健所長会議において共有を図っているところでございます。  また、季節性インフルエンザ流行期に向けた対策につきましては、かかりつけ医等身近な医療機関において相談、診療、検査を行える体制を基本に、それぞれの地域の実情を踏まえ、保健所が中心になって郡市医師会や市町村と調整を始めているところでございます。  これまでに、診療、検査に対応をいただける医療機関について、対応できる検体採取の方法も含めて調査をいたしました。季節性インフルエンザ新型コロナウイルス感染症の両方の検査が同時に行える抗原迅速キットを活用するためには、鼻咽頭の検体採取が必要でございます。これに対応していただける医療機関がまだ少ないといったことが課題であると考えているところでございます。今議会に補正予算として計上いたしました医療機関や郡市医師会に対する協力金を活用して調整を加速してまいりたいと考えております。  次に、保健所の人員確保のスケジュールと雇用形態についての御質問でございます。  保健所の体制強化を図るため、これまでに任用した保健師12名に加えまして、さらに保健師、臨床検査技師、事務職員を確保するため、9月9日から10月30日までを期間として募集を行っているところでございます。今後、面接等を行った上で随時任用してまいる予定でございます。  なお、その雇用形態につきましては、新型コロナウイルス感染症対策による一時的な業務量の増加に伴う任用であることから、臨時的任用職員としておりますが、臨時的とは申しましても、期間の定めのある常勤の職員であり、もちろん資格や経験を有していることから、確かな戦力になるものと考えているところでございます。  今後も、正規職員の採用も含め、必要な人員の確保に取り組みますとともに、外部委託の活用や、市町村保健師による協力体制の構築などにより保健所の体制強化を図ってまいります。  次に、生活困窮者に対する支援策についてでございます。  生活福祉資金の特例貸付けにつきましては、令和2年9月25日現在で、緊急小口資金及び総合支援資金を合わせまして延べ1万1,234件、32億1,000万円余の貸付けが行われております。今回の貸付期間が12月末まで延長されたことに伴い、9月補正予算案において貸付原資の積み増しとして23億円余をお願いしたところでございますが、今後の貸付状況等も注視し、必要に応じて国にさらなる貸付期間の延長を要望してまいりたいと考えております。  また、特例貸付けの償還についてでございますが、国の償還免除措置に加えまして、県独自に償還金の一部を補助することとしており、ちゅうちょせず申請していただけるよう周知を図ってまいりたいと考えております。  生活に困窮される方が安定した生活を取り戻すためには、まずは就労先の確保が不可欠であり、生活就労支援センター「まいさぽ」を中心に、ハローワーク等関係機関と緊密に連携しながら、引き続きお一人お一人に寄り添ったきめ細かな支援に取り組んでまいりたいと考えております。  以上でございます。
          〔38番毛利栄子君登壇〕 ◆38番(毛利栄子 君)先ほど、求人倍率のところで、さらに0.1倍下がったというふうに申し上げましたが、0.01倍ということで訂正させていただきます。  保健師や検査技師など、緊急に臨時に対応することはやむを得ない面もありますが、今後に備えるためにも、専門職は正規で拡充することを望みます。  また、特例貸付けが増えている中でも、生活保護は横ばいです。どうしても生活が立ち行かない世帯には、最後のとりで、権利としての生活保護についてもしっかり広報し、水際作戦で追い返すことなく、柔軟に対応していただきたい。通常、車の保有は生活保護利用のネックになっていますが、コロナ禍では特別扱いになっているので、福祉事務所に対し指導の徹底をお願いいたします。  次に、特養あずみの里事件について健康福祉部長に伺います。  7月28日、東京高裁は、特養あずみの里業務上過失致死事件の控訴審判決で、第1審長野地裁松本支部の罰金20万円の有罪判決を破棄し、無罪判決を言い渡しました。検察は、適法な上告理由を見いだせないと上告せず、8月11日、完全無罪が確定しました。  おやつの配付後に起きた不幸な病死が個人の業務上過失致死罪を問う事件となり、6年半もの間、准看護師は長く苦しい闘いを強いられ、介護の現場には衝撃と萎縮、不安が広がりました。この判決は、人手不足の中で頑張っている全国の介護現場と関係者に安心と未来への希望を与えるものになりました。  それにつけても、識者の中では、そもそも長野県警が根拠なく乱暴に捜査の対象とし、医学的原因を解明することなく過失致死事件として送検したことがおかしいとの声も上がっています。介護の質や高齢者の人権、よりよい介護行政を担っていただいている健康福祉部長に無罪判決の受け止めについて見解を伺います。  入所施設と警察との関わりについて伺います。  介護施設入所者の死亡について、平成27年12月1日付で、警察活動への御協力についてという通知が社会福祉施設の入所施設関係の長宛てに健康福祉部長から出されています。中身は、施設入所の方が亡くなられた場合、病院に搬送後に亡くなられた場合も含め、事件性を判断するために、亡くなられた方の身体確認、入所施設の状況、貴重品類について警察の確認に協力を求めるというものです。入所者が施設で死亡すれば全て警察が確認に入るのかと混乱と不安を与えております。  そもそも、医療機関や福祉施設における患者、入所者の死亡に関し警察官が介入できるのは、刑事訴訟法による犯罪捜査の場合のほか、警察官の職務執行法に基づく諸権限を発動する要件がある場合だけです。各医療機関、施設とも医師法21条に基づき適切な対応をしている中で、このような通知は関係者を不安におとしめ、あずみの里裁判と重ね合わせると、警察権限発動の要件が曖昧な中で県が協力要請を発出することで、任意性を超えて事実上強制の役割を果たすことになり、適切ではないと思います。この際、通知を取り消していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。       〔健康福祉部長土屋智則君登壇〕 ◎健康福祉部長(土屋智則 君)特養あずみの里事件について2点お尋ねをいただきました。  最初に、判決の受け止めについてということでございます。  本件は、介護施設の食事中の事故で個人の刑事責任が問われた事件であることから、介護職員が萎縮し、サービスの低下につながるのではないかと介護関係者の大きな注目を集めた裁判だと認識をしております。  介護保険法に基づく人員、設備及び運営に関する基準においては、入所者の立場に立ってサービスを提供すること、また、施設における介護事故防止について義務づけられているところであります。介護施設においては、入所者の転倒や誤嚥等のリスクがありますので、各施設において今後とも安全管理を徹底していただいた上で、利用者に寄り添った質の高いサービスを提供していただけるよう、県としても助言や指導をしてまいりたいと考えております。  次に、社会福祉施設に対する警察活動への協力依頼についてでございます。  議員御指摘の平成27年12月の健康福祉部長通知については警察本部からの依頼に基づいて発出されたものと承知をしております。通知の趣旨としては、社会福祉施設の入所者が亡くなった場合に、警察から法律に基づいて施設の状況等を確認したい旨の依頼があった際には、警察活動の趣旨に御理解をいただいた上で社会福祉施設に協力を求めるものでございます。施設に対応を強制するものではなく、通知は適切なものであると認識をしております。  以上でございます。       〔38番毛利栄子君登壇〕 ◆38番(毛利栄子 君)何に忖度されたのか、部長から裁判の結果について見解が伺えなかったことは非常に残念であります。  健康福祉部長に再度伺います。  平成27年12月15日には、先ほど適切だと言った通知について、説明不足だったとして、警察活動への御協力に関する趣旨についての文書が出され、そこでは、各施設に多大な不安と心配をかけたと深いおわびが述べられた上で、この文書は、死亡時の医師及び警察の対応ということで、医師法の内容に沿って届け出た場合に、警察から依頼があった際には確認に協力してほしいとの趣旨だと述べられています。  しかし、現実はそうなっていない場面もあります。現に、訂正通知を出した後でも、ある施設で心肺停止になった入所者を病院へ搬送。そこで病死死亡を確認。ところが、警察が施設に来て現場検証まで行ったということです。従来は照会程度だったもののそのような対応は、施設を驚愕させています。こんなことがあれば、介護施設は安心して介護に当たることはできません。重度の人はいつ急変するか分からないので、受け入れなくなるのではないでしょうか。  食事どきの急変、死亡に対し、東京高裁は、おやつを含め、食事は人の健康や身体活動を維持するためだけでなく、精神的な満足感や安らぎを得るために有用かつ重要。介護における食品の提供は医薬品の投与等の医療行為とは違うと高い見識を示しました。  正確さを欠いた不適切な通知は撤回もしくは破棄するのが当然でありますが、適切だというふうに言い切っておりますので、改めて健康福祉部長に伺います。あずみの里事件は、安易な警察の介入が冤罪を生みかねない事件でした。以前と同じ医師法21条に基づく対応でいいということで確認をさせていただきますが、いかがですか。       〔健康福祉部長土屋智則君登壇〕 ◎健康福祉部長(土屋智則 君)平成27年12月15日に、趣旨についてという形で追加で通知を差し上げてございます。さきの通知において、全ての死亡事例についてそういった対応をお願いするという誤解が施設側に生じ、少し混乱を来したといったことから、その趣旨を改めて徹底するために通知を申し上げて御理解をいただいたというふうに承知をしてございます。  この件につきましては、法律にのっとって適切に処理されるものであるというふうに理解をしております。  以上でございます。       〔38番毛利栄子君登壇〕 ◆38番(毛利栄子 君)コンプライアンス・行政経営課を設けている長野県であります。行政文書は、ややもすれば朝令暮改とやゆされる面もないわけではありません。一つ一つの通達について、原則は何か、説明できる根拠を明らかにして対応していただきたい。このことを切にお願いし、質問を終わります。 ○議長(小池清 君)この際、午後1時まで休憩いたします。         午前11時33分休憩          ──────────────────         午後1時1分開議 ○副議長(小池久長 君)休憩前に引き続き会議を開きます。  続いて順次発言を許します。  池田清議員。       〔12番池田清君登壇〕 ◆12番(池田清 君)改革・創造みらいの池田清です。通告に基づき質問いたします。  初めに、新型コロナウイルス感染症対応従事者慰労金支給事業について3点質問します。  1点目です。9月14日、長野県(医療・福祉)慰労金・支援金運営センターが長野駅近くの南石堂町の貸しビル内に開設されました。6月議会において、医療分、福祉分の慰労金106億円余りを議決してから2か月以上経過しています。  8月14日付の医療情報ウェブサイトには、厚労省の調査によると27都道府県で8月末までに給付を開始する見通しとの報道があります。9月中に給付を始めるのが長野県を含む6県、10月中が2府県、未定が12県です。慰労金・支援金運営センター開設までの経緯と事務運営主体について伺います。また、医療分、福祉分、それぞれ1人20万円、1人10万円、そして1人5万円の金額別の支給見込み人数について、そして委託事務経費についても伺います。  2点目。申請受付は9月15日から始まっていますが、これまでの申請状況はどうなっているか。また、煩雑である申請事務作業について、県独自の補助金を支給し、申請者の負担軽減の一助とすべきと考えますが、見解を伺います。  3点目。申請受付終了を12月25日としていますが、支給完了はいつになるのか。一日も早く支給すべきと考えるが、いかがか。見解を伺います。以上3点、土屋健康福祉部長にお伺いします。       〔健康福祉部長土屋智則君登壇〕 ◎健康福祉部長(土屋智則 君)新型コロナウイルス感染症対応従事者慰労金支給事業についてお答えいたします。  まず、開設までの経緯と事業運営主体についてでございますが、6月定例会での補正予算成立後から7月末までの間、本事業を確実かつ迅速に実施するための方策についての検討、調整を重ねてまいりました。検討の結果、申請者の負担を最小限とし、円滑に慰労金の支給ができる仕組みといたしまして、一連の業務を一括して事業者に委託することを決定いたしました。8月6日から19日までの間、必要な公募期間を確保した上で、公募型プロポーザル方式により受託事業者を募集いたしました。プロポーザル審査の結果、同一業務で他県での受託実績もある株式会社JTB長野支店を選定し、8月28日に契約締結により事業に着手いたしました。9月14日に事務所を開設し、15日から申請受付を開始しているところでございます。  次に、医療分、福祉分の支給金額別の支給見込み人数と委託事務経費についてでございます。  まず、支給見込み人数は、医療分は、予算要求ベースでございますが、支給額20万円が2万2,000人、10万円が4,000人、5万が2万7,000人と見込んでおります。福祉分につきましては、同じく予算要求ベースで、支給額20万円が70人、5万円が9万6,430人と見込んでおります。また、委託事務経費につきましては、医療分が4,915万4,043円、福祉分が7,675万2,698円となっております。  次に、これまでの申請状況についてですが、9月30日までの申請状況は、医療分が443件、3,476人、福祉分が215件、3,253人であります。  また、申請事務作業について県独自に補助金を支給することについてといったことでございますが、本事業は、全国一律の制度として国が要綱を定め、全額国が財源措置をしたものであり、議員御指摘のような経費は対象とされておらず、対応は困難であると考えております。  対象者の皆様お一人お一人により早く確実に慰労金を支給するためには、対象者を取りまとめて申請する手続が必要であり、医療機関や福祉施設の皆様の協力が欠かせないものとなります。事務作業を行う担当者の皆様には御負担をかけることになろうかと思いますが、今後も制度の趣旨や支給方法等につきまして関係者の皆様に御理解、御協力いただけるよう、引き続き丁寧に説明をしてまいります。  次に、支給完了はいつになるのかというお尋ねでございますが、過払いの返還や申請漏れへの対応を含めた全ての手続が年度内に完了するよう、申請期限については年内の12月25日までといたしました。本県の支給事務につきましては、一連の業務を一括で行うため、申請いただいたものは受付後1週間から10日程度で速やかに支払うことができる仕組みとなっております。  なお、申請期限までに申請がない場合は、期限の延長も含めた柔軟な対応を取ることで、年度末までに全ての対象者に対する支給事務を完了できるよう取り組んでまいります。  今後、ラジオやテレビ等による周知に加えまして、定期的に申請状況を確認し、未申請者へは速やかな申請を促してまいります。  以上でございます。       〔12番池田清君登壇〕 ◆12番(池田清 君)昨日、本会議終了後、長野県(医療・福祉)慰労金・支援金運営センターに出向き、責任者から説明を聞いてまいりました。土屋部長も大変お忙しいとは存じますが、現場を視察いただければと存じます。  電話受付、いわゆるコールセンター部分ですが、対応の社員が約10人、書類の整理、審査を行う社員が約20人、間隔を十分取ることのできるスペースが確保された事務室でてきぱきと執務をされていました。休憩スペースと合わせ、ゾーンが区割りされ、効率のよい動線が確保されていると感じました。入り口のドアも暗証番号でロックされていました。  責任者とチームリーダーはJTB長野支店の社員で、他は人材派遣会社パソナの契約社員です。ほとんどが長野市在住の方のようです。北陸2県でも慰労金支給事業を受託しているとのことです。東京のメガバンクから1日15万件の送金をすることが可能とのことです。  いずれにしても、個人情報の管理を徹底するとともに、様々な事務受託を行ってきたノウハウを生かし、ミスのない適切な事務処理を行い、総数15万件にも及ぶ慰労金を一日も早く大変御苦労いただいた申請者に届けていただきたいと思いますし、担当課にあっては管理監督に遺漏のないようお願いしたいと思います。  次に、コロナ禍及びコロナ後の観光産業の維持、再生について3点伺います。  1点目。6月議会で議決された営業局が所管する新しい生活様式への移行支援のうち、観光関連サービス業等生産性向上支援事業費総額4億5,000万円は、1件上限300万円とし、150件の利用を見込んで積算されています。この事業の狙いとこれまでの申請状況について、熊谷信州ブランド推進監にお伺いします。  2点目。コロナ禍にあって、旅行会社を支援するため様々なメニューが用意され、相当額の予算が計上されています。しかし、本社を県外に置く大手旅行会社に効果が偏り、県民との深い信頼関係によってお客様本位のおもてなしの心で観光立県長野県を支え、営業に励んでいる県内の中小旅行会社へは、期待される効果があまり出ていないのではないかと考えますが、中村観光部長の見解を伺います。  3点目、観光宿泊施設において、中低価格帯を主体とする本県の特徴を考慮して、Go To トラベル事業に上乗せする宿泊キャンペーン事業費11億8,000万円余りが本9月議会において早期議決されました。高価格帯の宿泊施設利用客の増加、県内主要観光地の人出の状況など、Go To トラベル事業開始からこれまでの効果とこれから期待される効果について中村観光部長の見解を伺います。       〔信州ブランド推進監兼営業局長熊谷晃君登壇〕 ◎信州ブランド推進監兼営業局長(熊谷晃 君)観光関連サービス業等生産性向上支援事業の狙いと申請状況についてのお尋ねでございます。  本事業は、外出自粛や往来自粛の影響が特に大きかった旅行業や宿泊業、酒蔵、ワイナリー、お土産品、伝統工芸品等の事業者を中心に、業界や地域内のグループで行う生産性の向上や魅力発信などのチャレンジに対して支援をさせていただくものであります。募集期間は9月3日から24日とさせていただき、124件の申請をいただいております。  なお、先月15日、県では、Afterコロナ時代を見据えた観光振興方針を策定し、安全、安心な観光地づくりを進めるとしたところでありますので、例えば、完全予約制のためのオンラインシステムの構築や、感染の疑いのある旅行者を移送するための車両購入などの観光地における安全対策を早急に整理することを支援するため、募集期間を10月8日まで延長させていただいたところでございます。  安全、安心であることが何よりの誘客策でありますので、観光部のみならず、関係部局、関係団体を通して、多くのグループに御応募いただけるよう呼びかけてまいります。       〔観光部長中村正人君登壇〕 ◎観光部長(中村正人 君)2点御質問をいただきました。  まず、支援施策の県内中小旅行業者への効果についてでございます。  6月及び7月に実施しました県民向けの宿泊代金の割引支援におきましては、県内中小旅行会社への支援の観点から、1社当たりの販売額の上限を会社の規模に関わらず同一に設定させていただきました。この結果、県内の中小旅行会社の販売実績は全体の8割以上を占めておりまして、県内旅行会社の支援として一定の効果があったものと考えております。  また、このたび早期議決いただきました宿泊割事業におきましても、お客様の予約の利便性に配慮しつつ、旅行会社各社に販売見込額をお聞きして、県内の中小旅行会社を含めた観光産業全体への効果的な支援となるよう事業を展開してまいりたいと思います。  次に、Go To トラベル事業の効果についてでございます。  観光庁の発表によりますと、Go To トラベル事業は、7月末の事業開始から8月末までに、全国で少なくとも1,339万人泊の利用がございました。観光庁から詳細な利用状況は公表されておりませんけれども、旅行会社等への聞き取りによりますと、1泊当たり2万円以上の宿泊プランが前年を上回る販売となっているものの、1万円前後の中低価格帯の施設では前年比マイナスの状況が続いているとお聞きしております。  県内旅行会社等にお聞きしますと、8月は新型コロナウイルス感染の再拡大も影響し、宿泊者数は前年比約6割と大変厳しい状況であったとお聞きしておりますけれども、9月の4連休には多くの観光地で人出があり、宿泊施設では満室となるなどGo To トラベル事業の効果が出てきたものと考えております。  今回県で実施いたします宿泊割事業においては、観光客及び受入れ側の観光事業者双方の感染防止対策をさらに徹底しつつ、中低価格帯の宿泊施設の利用促進や平日の旅行への誘導、また、長期滞在の促進を図ることでGo To トラベル事業との相乗効果が出るよう取り組んでまいりたいと思います。  さらに、東京発着の旅行がGo To トラベル事業の支援対象に追加され、地域共通クーポンの利用も始まりましたことから、今後多くの方に旅行に来ていただき、需要回復につながるものと考えております。  以上でございます。       〔12番池田清君登壇〕 ◆12番(池田清 君)観光関連サービス業等生産性向上支援事業費は、6月議会において議決されています。既に3か月近くが経過しており、採択を受けて事業に着手したいのですが、内定をもらっても、事業費が支給されていないので、その部分を立て替えて事業を実施しなければならないというのが実態です。タイムラグがあまりにもあると言わざるを得ません。  また、本事業における旅行会社の申請数は約20件ほどで、旅行会社にとってはなかなか利用しやすい事業ではないように思われます。県内の旅行会社はほとんどが中小規模の会社で、約170社、従業員は約1,500人とお聞きします。コロナによる経済活動の停止により、3月から6月までの3か月間、全くと言っていいほど仕事がなく、大変大きな打撃を受けています。長野市、飯田市、佐久市、松本市などは独自に旅行会社に直接支援金を支給していますが、県からは支給がありません。いずれにしても、観光立県長野県を支える県内の中小旅行会社の支援が今後も必要と考えます。  次の質問に移ります。社会福祉法改正に伴う県の役割と責任について3点質問します。  地域共生社会の実現のための社会福祉法等の一部を改正する法律案が、本年6月5日、参議院本会議で、立憲民主党、社民党などの共同会派のほか共産党が反対しましたが、与党などの賛成多数により可決、成立しました。  前日、6月4日の参議院厚生労働委員会において、次のような附帯決議が採択されています。  重層的支援体制整備事業について、同事業が介護、障害、子ども及び生活困窮の相談支援等に加え、伴走支援、多機関協働、アウトリーチ支援等の新たな機能を担うことを踏まえ、同事業がより多くの市町村において円滑に実施されるよう、裁量的経費を含めて必要な予算を安定的に確保するとともに、既存の各種事業の継続的な相談支援の実施に十分留意し、その実施体制や専門性の確保・向上に向けた施策を含め、市町村への一層の支援を行うこと。また、同事業を実施するに当たっては、社会福祉士や精神保健福祉士が活用されるよう努めること。  この附帯決議を踏まえ、2点質問します。  1点目です。社会福祉法改正の大きな柱は、地域共生社会の実現に向けた地域づくり、包括的な支援体制の整備であると考えます。地域住民の複雑化、複合化した支援ニーズに対応するため、重層的支援体制整備事業が創設され、来年4月から施行されますが、その内容と期待される効果について土屋健康福祉部長にお伺いします。  2点目です。人口、高齢化率、財政状況などの大きな違いによって市町村の取組にも格差が生じる懸念があります。計画の策定、支援会議の設置及び実施準備について必要な助言、研修を通じた人材育成について県の果たすべき役割と責任は重要と考えますが、いかがでしょうか。また、旗振り役として、担当課である地域福祉課には、社会福祉士の配置などを含め、職員体制の充実を図るべきと考えますが、土屋健康福祉部長の見解を伺います。  関連して、長野県地域福祉活動計画、愛称「信州ふっころプラン」についてお伺いします。  地域共生社会実現のため、県は、昨年、福祉各分野の施策を「ともに生きる ともに創る 地域共生・信州」を基本理念としてまとめた行政計画である長野県地域福祉支援計画を策定しました。そして、今年、県社会福祉協議会を事務局とする信州ふっころプラン推進会議が、長野県地域福祉活動計画、愛称「信州ふっころプラン」を策定しました。行政計画と民間計画の二つの計画により地域共生社会の実現を目指す実践は、重要な取組と考えます。この民間計画策定の意義と評価について土屋健康福祉部長の見解をお伺いします。       〔健康福祉部長土屋智則君登壇〕 ◎健康福祉部長(土屋智則 君)社会福祉法改正に伴う県の役割と責任について3点お尋ねをいただきました。  最初に、重層的支援体制整備事業の内容と期待される効果についてでございます。  人口減少、少子高齢社会の進展等によりまして、家族機能の低下や地域の共同体機能の弱体化を招いており、様々な分野での担い手不足が地域社会の維持にも影響を及ぼしております。
     福祉制度は、高齢、障害、子供など分野ごとに支援内容が充実してまいりました一方で、8050問題や介護と育児のダブルケアといった一つの世帯が複数の絡み合った課題に直面し、制度のはざまで対応できないなどの状況が顕在化してきているところでございます。  このため、市町村は、地域住民が抱えるこうした生活課題に対して、周りの住民や福祉関係者等と協働して支援していく体制を構築することとし、断らない相談支援、参加支援、地域づくりに向けた支援という三つの支援を行う重層的支援体制整備事業が創設されたところでございます。  この事業では、例えば、高齢者や障害者などの各相談窓口が、縦割りとならずに連携して相談に対応する。特養の地域交流スペースを子供の学習支援の場にも開放し、多世代の交流に取り組む。障害者と就労経験のない若者が交流し一緒に働く場をつくるなどの取組を地域住民を巻き込んで実施するものでございます。これらによりまして、家庭内の複合化した課題や制度のはざまとなっているニーズにきめ細かく対応できるようになるほか、支える側、支えられる側の福祉の形ではなく、住民同士のつながりを強くし、個人や世帯が抱える課題に周りの住民が気づき、お互いに支え合う社会の実現に寄与するものと考えております。  次に、県の果たすべき役割と責任及び職員体制の充実についての御質問でございます。  地域住民の様々な生活課題の解決に向けては、市町村における包括的な支援体制の構築が重要とされており、県は、市町村が適正かつ円滑に事業を実施できるよう支援する役割を担っているというふうに認識しております。  具体的には、実施計画の策定や地域の支援体制を検討する会議の運営等について、他地域における事例の紹介や説明会の実施など必要な情報の提供や助言を行ってまいります。特に、小規模町村等においては、社会資源が十分でなく、ネットワークづくりのノウハウが乏しいなどの課題がありますので、全体をコーディネートする人材の育成や他地域との連携など、その実情に応じて効果的な支援に努めてまいります。  これら県の役割を果たすため、適切な職員体制のもと、社会福祉士など専門職種の方々の力も借りながら各地域における体制の整備を促進してまいります。  最後に、長野県地域福祉活動計画の意義と評価についてでございます。  長野県地域福祉活動計画、信州ふっころプランは、県社会福祉協議会等の福祉関係者のみならず、医療、保健、教育、司法、経済など各分野の県的団体が県全域で地域福祉を推進していくために協働して取り組む事項を定めたものでございます。したがって、県全体の地域福祉の方向性を定めた県の地域福祉支援計画と対となって推進することによりまして、県内それぞれの地域において、行政、地域住民、地域で活動する関係者が一体となって地域の生活課題を解決していく大きな原動力となるものと考えております。  この活動計画を通じて、全ての県民が「ともに生きる ともに創る 地域共生・信州」という県の地域福祉の基本理念を共有し、持続可能な地域共生社会の実現に向けて取り組んでいただくことを期待しているものでございます。  以上でございます。       〔12番池田清君登壇〕 ◆12番(池田清 君)御答弁をいただきました。  社会福祉士の配置は大変重要であると考えます。外部の人材に頼るのではなく、自前で担当課に社会福祉士をしっかり配置する、そうした前向きな姿勢というものが必要ではないかというふうに思います。  国がつくった重層的支援体制整備事業は、実際にこれを行う主体は市町村でありますけれども、それぞれの市町村には大きな差があるわけで、県の果たすべき役割は大変大きいというふうに思います。ぜひとも積極的な支援をお願いしたいというふうに思います。  また、私は、本年2月議会において、昨年の台風19号災害におけるボランティアセンターの設置運営を教訓として、県と社会福祉協議会の間で県災害ボランティアセンターの設置運営に関する協定書の締結を提案させていただきました。現在、協定書の締結に向け協議が進んでいるとお聞きしています。災害ボランティアセンターだけでなく、今回の地域共生社会実現のための地域福祉計画など様々な福祉課題を推進するために、県と県社協はまさに車の両輪であると考えます。今後も、県民福祉の向上のため、財政的支援を含め、県社協とさらに連携を強めていただきますようお願い申し上げまして、私の質問を終わります。 ○副議長(小池久長 君)次に、山田英喜議員。       〔7番山田英喜君登壇〕 ◆7番(山田英喜 君)上田市・小県郡区選出、自由民主党県議団の山田英喜です。よろしくお願いいたします。今回は、上田圏域における新型コロナウイルスの各種対応と、外国人の生活保護受給に対する長野県の考えを伺ってまいります。  今回のコロナ禍では、平時には見えなかったものが有事になると突如として社会の表面にあらわになってくるということが様々な現象から明らかとなりました。私たちは、会社、地域コミュニティーなどにおいて、一言で言えば精巧に仕組まれた社会システムの中で毎日を送っており、今回、人、物、金の動きが強制的な変化を余儀なくされたコロナ禍において、そのシステムが根本から崩れたとの見方もできます。  コロナの正体が分からず、有効な治療薬やワクチンは開発途中という中で、人々の心に非常に強い不安と恐怖が呼び覚まされ、ブラジルやアフリカはもとより、アメリカでも激しいデモや暴力行為が頻繁に起こっています。  この日本においても、感染者や医療従事者、また、その家族に対する誹謗中傷などが問題となりました。そうした分断や断裂はもともと社会に潜在していたものでしたが、コロナ禍によって一気に表面化したように感じます。  また、今回の一連の対応で、私は、子供たちの将来の免疫力が下がってしまうのではないかという不安を感じました。マスクの着用はもちろん、学校などでは一日に何十回も30秒間入念に手洗いを行い、場合によってはアルコール除菌をすることが感染症対策として盛り込まれております。恐らくこれを決めた大人の中にも、同程度の手洗いをしている人はいないのではないでしょうか。正直、私もここまではやっていません。  そもそも、人間は、無数の見えないウイルスに囲まれて生存し、成長の過程で抗体を身につけていく生き物です。今のような環境下で生活を続ける子供たちが、将来、様々なウイルスに立ち向かっていく免疫力をつけていくためにも、これだけ長期化している中で、随時その内容を見直していただきたいということを今議会の文教委員会の中でも指摘させていただきます。  それでは、上田圏域における新型コロナウイルスに対する対応について伺います。  上田圏域での感染者の状況を振り返りますと、国から7都府県に緊急事態宣言が出された翌日、県の感染対策強化期間の始まった4月9日に1名が確認され、それから8月3日までの約4か月で11名の感染者のみでしたが、8月14日からの3週間で63名と急激に感染が拡大しました。そして、この感染拡大を受け、上田圏域では8月4日に感染警戒レベルを3の警報へ、8月29日にレベル4の特別警報に引き上げられましたが、その引上げの約1週間前、8月21日には民間主導で店舗などが自主休業をされました。  私は、この決断は、タイミング的にも、その後の感染拡大を抑止するために大変効果があったものと思いますし、県にとってもありがたい決断であったのではないかと考えます。それと同時に、このような決断は批判も伴うものであり、あくまでも国や長野県がコロナを今のように危険視していく中で、今後同様の事態になった場合行政により判断を出すなど、さらに柔軟な対応を図っていくべきと考え、質問してまいります。  初めに、上田地域で行われた民間の自主的な休業について、感染拡大防止の観点から県はどのように評価しているか、阿部知事にお伺いいたします。  また、警戒レベルの基準については、直近1週間の10万人当たりの新規感染者数で定められており、上田圏域はそれを基にレベル4にまで引き上げられました。このレベルについては、約200万人いる県内全体で例えますと、10万人当たり5人とされているレベル5に上がるには直近1週間で約100人の感染者が出ることとなります。この基準ですと、もしほかの地域に感染がなく、上田圏域で感染者が90名発生したとしても、県としては注意喚起するだけとなってしまいます。  さきの質問にもありましたように、コロナを過度に恐れ過ぎず、感染対策と経済の両立を実現していくことが重要です。上田圏域から外へ大きく広がってしまった今回のケースを見ても、市町村それぞれの判断で、その補償も含め、できる限り狭いエリアで休業要請をしていくなど柔軟な対策が必要と考えます。そうした場合、県がどのようなサポートをしていけるかを明確に定めるか、またはそれぞれの市町村長と情報を共有しておくことで、より素早く対策を講じることができるのではないかと思います。  そこで、感染拡大をいち早く抑え、民間で判断した場合の批判などにより地域の分断を生まないためにも、民間による自主的な取組のみならず、市町村がそれぞれ緊急事態発生時における対応策を検討しておく必要があると考えるが、いかがか。また、市町村独自でエリアを定めて営業自粛の協力要請を行うことについての県の見解を危機管理部長にお伺いいたします。  そして、市町村が独自に営業自粛の協力要請を行う場合に、その判断で必要となるのは感染者の情報であるということを今回の上田圏域における感染拡大で実感しました。また、自治体では、実際にクラスターの状況を把握していたとしても、県の発表が制限されていた場合に、知らないことになっているため想定では判断できないということになりかねません。  そこで、県から市町村への情報提供の方法や内容について。そして、感染者から行動歴も全て正確に伝えられているとは限らない状況の中で、今回の上田圏域のケースを見ても、クラスターが発生した際には速やかに店名を公表することで防げた感染者もあると考えますが、公表についての考えはどうか。健康福祉部長にお伺いいたします。  さらに、市町村が独自に営業自粛の協力要請を行う場合には、事業者への経済的な支援もセットで行う必要があると考えます。県から市町村への財政的な支援を考えていくか、産業労働部長にお伺いいたします。  上田圏域においては、一時期、直近1週間の新規感染者数が10万人当たり20人を超えました。これは、上田圏域だけで考えると、県独自の緊急事態宣言の4倍以上の感染者数です。本来であれば指定感染症から除外されることが望ましいと私自身は考えておりますが、今の段階では、県全体に広がった後の緊急事態宣言は、財政的にも地域経済にとってもできないのではないかと考えております。できる限り経済を回していけるように、これまで様々なケースを経験する中で、県の警戒レベルのさらなる見直しが必要と考えますが、見解を危機管理部長にお伺いいたします。  そして、今回上田市で行った自主的な休業を受け、県には、市町村と協力し、感染拡大防止対策や風評被害対策に取り組む商店街などを支援する事業を創設いただきました。この場をお借りして感謝を申し上げます。今後は、このようなケースが生じた場合、同様の対応を取ると考えていいか。また、2度同じ地域で発生した場合は当事業を活用することが可能と考えてよいか。産業労働部長にお伺いいたします。  次に、エリアを上田市の中心市街地に限定してPCR検査を行っていただきました。こちらも、地域住民にとっては、少しでも不安を解消していくという観点から大変ありがたかったのですが、検査を行った人数とその結果はどうか。また、十分に周知を行うことができたと考えるか。そして、エリアの選定はどのようなプロセスを経て行われ、今後同様の事態が発生した場合どう備えるか。健康福祉部長にお伺いいたします。  次に、長野県新型コロナウイルス感染症等対策条例について1点、第6条の施設の使用制限が今回の上田市のケースでは行われることはなかったが、どのような場合を想定した定めなのか。特別警報が発出された8月の段階において、さらにどの程度感染者が増加していればこの措置を講じることになったと考えるか。危機管理部長にお伺いいたします。  続けて、今後地方からも国へ働きかけが必要だと考える課題として、外国人における生活保護受給について県の考えを伺ってまいります。  一つ目として、令和2年4月1日現在の県内の日本人、外国人、おのおのの生活保護受給者と、それぞれの人口に対する割合、及びそれらの近年の動向について。二つ目に、日本人と外国人で生活保護の内容に違いはあるのか。また、財源はどうなっているか。三つ目に、外国人が生活保護を受給するようになるにはどのようなケースが該当するか。まずここまでを健康福祉部長にお伺いいたします。       〔知事阿部守一君登壇〕 ◎知事(阿部守一 君)私には、新型コロナウイルスに関連して、上田地域で行われた自主的な休業の評価についてという御質問をいただきました。  まず初めに、上田地域での新型コロナウイルスの感染拡大に伴いまして、自主的に休業をしていただいた店舗の方々をはじめ、感染拡大防止に御協力をいただいた全ての皆様方にこの場をお借りして心から感謝を申し上げます。  議員お尋ねの上田地域における自主的な休業は、地元の商工振興会からの呼びかけで8月21日から2週間程度実施され、再開前には店舗の一斉消毒も実施されたというふうに伺っております。新型コロナウイルスは、飛沫感染、接触感染で感染し、閉鎖した空間で近距離で多くの人と会話するなどの環境では、せきやくしゃみなどの症状がなくても感染を拡大させるリスクがあるとされております。今回実施いただいた自主休業では、感染拡大地域における人と人との接触を避けるという点で、感染拡大防止に一定程度効果があったものというふうに考えております。  今後も、国や関係団体が定めるガイドライン等に基づき適切な感染対策を実施いただくとともに、新型コロナ対策推進宣言をしていただくなど、感染拡大予防に御協力をいただきたいと考えております。  以上です。       〔危機管理部長竹内善彦君登壇〕 ◎危機管理部長(竹内善彦 君)4点御質問をいただきました。  まず、市町村の緊急事態発生時における対応策の検討についての御質問でございます。  県では、これまでも、新たな生活様式や事業者向け感染拡大防止ガイドラインの周知徹底、あるいは検査体制の整備など、市町村と連携し、取り組んできたところでございます。  感染拡大防止のためには、住民、事業者の自主的な取組が重要であり、市町村と連携して対応することが不可欠でございます。円滑に対策を進めるには、市町村としても、緊急事態に備え、対応策を検討しておいていただくことは非常に有効なことと考えております。  検査体制の充実や季節性インフルエンザの予防接種をはじめ、市町村と連携して取り組まなければならない課題が多岐にわたっておりますので、今後とも役割分担を行い、より一層の協力関係を築きながら取り組んでまいる所存でございます。  次に、市町村独自の営業自粛の協力要請の御質問でございます。  特措法では、施設の使用制限等の要請、いわゆる休業の要請をできるのは知事となっておりますので、市町村長が独自に行うことは法令に基づかないものとなります。県といたしましても、限定的な地域で感染が拡大した場合は、地域を限定して県が対策を講じることが必要と考えておりますので、市町村と連携して的確な対応をしてまいります。  次に、感染警戒レベルの見直しについてでございます。  感染警戒レベルは、全県及び圏域ごとの感染者の発生状況に応じ、より的確に対策を講じることができるよう専門家から意見をいただきながら、指標や基準を見直したり、リスクと対応策を明確化するなど改善を加えてきたところでございます。  第2波においては、検査体制が充実し、検査が広く行われたことによって、感染者数が多くなる傾向にあり、過度なアラートにならないよう、感染者数に加えて、重症者数、陽性率、感染経路不明の割合などの指標を用い、リスクの状況を正確に捉え、適切に運用していく必要があると考えております。  いずれにいたしましても、感染警戒レベルにつきましては、今後も専門家の意見をお聞きし、必要な改善を行いながら対策の実施につなげてまいります。  最後に、条例の効果と施設の使用制限の想定などの御質問でございます。  条例第6条第1項による休業の検討の協力の求めは、少なくとも感染警戒レベル5に達するなど、感染が顕著に拡大している状態となり、人の移動や本県との往来を極力少なくする必要がある場合を想定しているものでございます。  今回の対応では、県内の医療提供体制の拡充が進んだため、重症者向けを中心に病床にまだ余裕があり、こうした措置を講ずることなく対応できたところでございます。  施設の使用制限の措置は、例えば、県内で1週間当たりの人口10万人当たりの新規感染者数が5人を上回るほか、入院者や重症者のための病床が4分の1以上使用され、医療提供体制が逼迫した場合などにその実施について検討してまいります。  以上でございます。       〔健康福祉部長土屋智則君登壇〕 ◎健康福祉部長(土屋智則 君)新型コロナウイルスに対する対応について3点御質問をいただきました。  最初に、県から市町村への情報提供についてであります。  危機管理部長が答弁いたしましたとおり、地域を限定して県が対策を講じる場合には地元市町村としっかりと連携協力する必要があり、その前提として、議員御指摘の情報の共有は極めて重要であるというふうに考えております。  通常時における県から市町村への感染者情報の提供につきましては、個々の事例についてその都度地域振興局から行っているところですが、特定地域において感染が急激に拡大している場合には感染の全体像についてもしっかりと共有する必要があり、今回の上田市の事例では、私も何度か上田市の担当部長さんとお話をさせていただきました。今後も、必要に応じて情報共有と意見交換の場を設けるなど、適時適切に対応してまいります。  次に、クラスター発生時の速やかな店名等の公表についてということでございますが、新型コロナウイルス感染者が確認された場合、保健所において、感染者や関係者の協力を得ながら感染経路や濃厚接触者等の調査を丁寧かつ徹底的に実施しているところでございます。こうした中で、店名の公表につきましては、クラスターが発生したかではなく、当該店舗において不特定多数との接触の可能性があり、店名公表によらなければ接触者の把握が困難で感染拡大のおそれがあるといった場合に公表することとしております。  店名を公表した場合には、経営への悪影響はもちろん、誹謗中傷などにつながるおそれがあること、また、県にとっても積極的疫学調査への協力が得にくくなるといった影響も考えられることから、慎重に検討すべきものと考えております。  次に、上田市中心市街地で実施したPCR検査についてでございます。  上田市内において新型コロナウイルス感染症の感染者が多く発生したことから、9月3日から5日までの3日間、上田市中心市街地の接待を伴う飲食店に勤務し、希望する方を対象に、無料で検査を実施いたしました。3日間合計で165人の方の唾液検体によるPCR検査を実施し、そのうち陽性者は1人でございました。  周知につきましては、県ホームページや報道機関による情報提供とともに、上田市、上小食品衛生協会並びにその所属団体の皆様の御協力による会員店舗への情報伝達に努めたところでございます。エリアの設定につきましては、感染拡大防止の観点と、検査実施による風評被害等も考慮しながら、上田市や関係の皆様と協議の上、最終的に中心市街地としたところでございます。  今後、同様の事態が発生した場合に備えて、初めての取組である今回の検査対応について検証いたしますとともに、感染拡大地域における検査需要に確実に対応できるよう、検査能力の拡充強化に努めてまいります。  続きまして、外国人に対する生活保護の適用状況についてのお尋ねでございます。  令和2年4月1日現在における生活保護受給世帯のうち、世帯主が日本人である世帯の保護受給者数は1万565人で、日本人人口に対する割合は0.53%、世帯主が外国人である世帯の保護受給者数は462人で、外国人人口に対する割合は1.42%となっております。最近3年間では、日本人の場合はほぼ横ばいであり、外国人の場合はやや減少傾向にございます。  外国人に対する生活保護の支給は、国の通知に基づき、生活保護法に定める取扱いに準じて実施されており、その内容に違いはございません。生活保護費の財源は、国が4分の3、県または市が4分の1を負担しております。外国人が受給するケースは、日本人の場合と同様、傷病や失業により仕事を失い、収入がなくなるケースなどが挙げられるところでございます。  以上でございます。       〔産業労働部長林宏行君登壇〕 ◎産業労働部長(林宏行 君)2点御質問をいただきました。  1点目の市町村が営業自粛の協力要請を行う場合の財政的な支援につきましては、先ほど危機管理部長から答弁申し上げましたとおり、限定的な地域で感染が拡大した場合は、県も市町村と連携してケースごとに的確な対応をしてまいります。  次に、クラスター発生エリア商店街等支援事業についてでございます。  県または長野市が、クラスター対策として、PCR検査等を集中的に実施するエリアに所在する商店街等が取り組む感染拡大防止対策や風評被害の防止対策に対し、市町村と連携して支援を行うものでございます。  このたびの上田市中心市街地の対策状況は先ほど健康福祉部長から御答弁申し上げたとおりでありますが、仮に他の市町村で同様のケースが生じた場合、当該市町村と連携の上、本事業により実施してまいります。また、同じ地域で再び生じた場合でも活用することは可能となっております。  以上でございます。       〔7番山田英喜君登壇〕 ◆7番(山田英喜 君)それぞれ答弁をいただきました。  市町村による営業自粛は、特措法に基づかず、知事の判断ということであります。そうなると、先ほどから申し上げているように、感染が広がってきたときに、本当に狭いエリアで抑えていくことも考えていくべきだと思いますので、ぜひ御検討いただければと思います。  また、PCRの周知に関しては、ホームページなどで様々やっていただいたとは思うのですけれども、働いている方には外国人も多く、その方たちに伝わっていたのかどうか疑問に思うところでありますので、今後同様のケースがありましたら、その辺りも含めて検討いただければと思います。  また、日々変化するコロナに対する国民の意識や状況に柔軟に対応していただきますようよろしくお願いいたします。特に、感染が拡大した際に最も大変なところの一つに、看護師の不足をはじめとした医療現場があるということを一般質問の場で多くの議員が指摘をしてきました。  店名の公表については、誹謗中傷などにつながってしまう、また、今後の疫学調査への協力に影響が出ることなどがあります。そういう部分で慎重な姿勢を取らざるを得ないということでありますが、感染拡大を予測できるように、医療機関や市町村だけにでもできる限り早く情報提供をお願いできればと思っております。  そして、外国人の生活保護受給者では、長野県内を見ますと、日本人と外国人のそれぞれの人口に対する受給者の比率が、おおむね外国人が1.42%、日本人が0.53%と答弁をいただきました。外国人が、人口の比率だと日本人の3倍ほどの比率で保護を受けている状況であります。  2016年の国の統計を見ますと、全体で214万5,438人の方々が生活保護を受給し、そのうち外国人は7万2,014人とされています。今はさらに増えていることが予測されていますが、800億円以上が毎年外国人への保護となっております。在留外国人全体の人数の増加率が、2006年から2016年までの間に約20%のところ、生活保護を受けている外国籍世帯は同じ期間の10年間で56%も増加しています。このように、この数字を見ても、全国的に生活保護を受給する外国人の窮状は大変多いと思います。  そして、最高裁の判例で、外国人は生活保護法の対象外とされておりまして、昭和29年の国の通知では、生活保護法の対象は国民に限るとされております。紛れもなく生活保護制度は国民に対する制度であると考えますが、生活保護を受給している外国人がいることとの整合性を長野県はどのように考えておりますでしょうか。また、外国人も対象としている根拠についてお伺いいたします。  次に、私はここが一番問題だと感じているのですが、日本人の生活保護の申請には、本来、親族など扶養義務者への連絡を行い、援助することができないか確認をすることと思いますが、外国人が申請した場合、その方の母国における家族や資産の調査などはどのように行っておりますでしょうか。そして、在留資格を取得していれば生活保護を受けることは想定されていないと思われ、生活保護が必要となれば、まずは大使館などに連絡し保護を求めるべきと考えますが、健康福祉部長に長野県の見解をお伺いいたします。       〔健康福祉部長土屋智則君登壇〕 ◎健康福祉部長(土屋智則 君)生活保護を外国人が受給していることの整合性等についての御質問でございます。  生活保護法第4条には、生活保護の要件として、生活に困窮する者が、その利用し得る資産、能力、その他あらゆるものを活用することと規定されております。そのため、対象となる外国人は、適法に日本に滞在し、活動に制限を受けない者であり、具体的には、出入国管理及び難民認定法別表第2の永住者、定住者等の在留資格を有する者に限定されているところでございます。したがって、これらの外国人が生活に困窮して生活保護を受給することは、生活保護制度との整合性において特に問題はないというふうに考えております。外国人に対する生活保護の支給は、国の通知を根拠として、生活保護法を準用した行政措置という形で全国一律に実施されておりますが、しかるべき法制度に基づき国の責任において実施されることが適切ではないかというふうに考えております。  次に、母国における家族や資産の調査及び大使館への保護要求についてのお尋ねでございます。日本人の場合と異なり、母国への調査は困難であるため、申請者たる外国人に対し聞き取りによる調査を行っております。なお、国の通知では、調査に申請者が協力しない場合は保護申請を却下すべきというふうにされております。  大使館等に対しては、同じく国の通知に基づき、当該外国人を支援できるか否かを確認した上で生活保護の要否を判断しているところでございます。
     以上でございます。       〔7番山田英喜君登壇〕 ◆7番(山田英喜 君)外国人の生活保護受給に際して、家族の資産などの調査については本人の聞き取りをもってということでありました。当然、海外まで行って調査を行うことができないというのは理解できますが、財源にも内容にも違いがない中で、日本人に対する調査と比べて甘いことは否めません。そもそも、生活保護法という法律でわざわざ対象が日本人であると規定されているにもかかわらず、それを行政の通知で66年間も曲げてしまっていいものかというところにも、私自身、大きな疑問が残っております。  この暫定処置の背景には、大東亜戦争の中で日本に定住された在日外国人の方たちに対して、終戦後、外国籍という理由で生活保護の適用を拒否することができなかったという見方もあります。個人的には当時の判断としては理解できるところもありますが、戦後70年以上経過していること、また、厳しくなっている現在の財政状況を考えると、本来の生活保護法のとおり保護の適用対象は日本人のみに戻すか、まずは新規の申請は受けるべきではないとか、その辺を考えていくべき時期に来ているのではないかとも思っております。県民の税金が使われている限り、今後、地方からその声を上げていくことも必要ではないかと考えております。  また、グローバル化が進み、日本国民が外国人の方を受け入れる気持ちを持っていくことは当然賛成でありますが、外国人による出産育児一時金の不正受給や、年齢が近く、国籍、性別が一緒であれば不正利用できてしまう国民健康保険の貸し借りも問題であります。  そして、今回問題提起させていただいた生活保護や、海外に住んでいる親族も認められている扶養控除などによる大きな税金対策など、外国人が特別優遇されるような制度がある限り、日本人が心からしっかりと外国人を受け入れていくことは難しいと考えます。そのような状況がある中で、真剣に日本で働き、生活を営んでいる外国人の方々と日本人にも、どこかであつれきが生まれてしまいます。  何といっても、ここは日本です。生活保護にかかわらず、県の施策でも、外国人の方が特別優遇されることなく、日本人の生活を将来までしっかりと考えていただいた上で外国人を受け入れる土台を築いていただきたいという強い要望を出させていただき、私の一般質問を終わります。ありがとうございました。 ○副議長(小池久長 君)この際、15分間休憩いたします。         午後2時休憩          ──────────────────         午後2時16分開議 ○議長(小池清 君)休憩前に引き続き会議を開きます。  続いて発言を許します。  寺沢功希議員。       〔10番寺沢功希君登壇〕 ◆10番(寺沢功希 君)新型コロナウイルスの感染拡大により影響を受けている事業者に対し、テークアウトや宅配などサービス事業者等がグループで行う事業の多角化等に向けた新たな取組を支援する飲食・サービス業等新型コロナウイルス対策応援事業。4月臨時議会において議決され、その後、5月専決処分、6月補正で予算が増額され、今定例会にも2億3,000万円の補正予算案が提出されております。感染拡大により事業活動の継続が困難等の悪影響が及んでいる県内中小企業者の新たな取組に、必要な経費の一部を支援し、地域における課題の解決と持続可能な地域経済の回復を図ることを目的とし、補助上限額300万円とするもので、5月7日から6月17日までを3期に分け、受付が行われました。  そこで、営業局長にお聞きします。  今回、申請要件として、事業の計画策定段階から、商工会、商工会議所等の経営指導員等からのアドバイスを受けて実施することとされております。申請をしたグループはもちろん、グループの一員としてアドバイスを行った経営指導員からも、第1期では通った事業が、第2期、第3期では通りづらくなっており、期を追うごとに審査基準が変化していったのではとの声や、コロナ対策とは遠いように感じる事業が採択されているのではないかといった声が聞かれました。これでは公平性に問題があると思いますが、実際に審査基準に変化が生じたという事実はありますでしょうか。なければ、申請者にこのような誤解を与えてしまった理由はどこにあったと考えられますか。  県のホームページ上に公表された交付決定先一覧には、申請事業名は掲載されておりますが、事業内容はありません。先ほどのような疑念を晴らすのはもちろん、交付決定の透明性の観点からも、全ての交付決定事業に対して事業内容を公表すべきと考えますが、今後その予定はありますでしょうか。  最終受付日から3か月以上過ぎた現在、いまだに交付決定か否かの連絡が来ないグループや、中には、県に問い合わせたところ、審査以前の申請書類による事業内容の確認もできていないと言われたグループもあるようです。  ある申請グループが県に問い合わせた際、審査会を通ったので会計局の審査に回しました。審査会を通って会計局の審査が通らなかった案件もあったので、まだ決定ではありませんと言われたそうですが、それから1か月半ほどたった昨日、ようやく交付決定の通知が届いたそうです。  新型コロナウイルスにより大きなダメージを受けた事業者が、この補助金を活用し、新たな取組により息を吹き返そうとしている中で、交付決定までこんなに時間をかけていては体力が続かず、決定を待たずして倒れてしまう企業が出る可能性も大いに考えられます。ここまで交付決定が遅れた理由はどこにあるのでしょうか。また、現在、審査待ち、交付判断待ちの案件は何件ありますでしょうか。また、いつまでに全ての審査を終わらせ、採択通知の交付を完了する予定でしょうか。  加えて、補助事業期間は令和3年2月26日までとされておりますが、交付決定の遅れにより間に合わない事業が出てくる可能性もありますが、期限の変更もお考えでしょうか。  一方で、先が見えない中、新たな一歩が踏み出せた。忙しい中親切に丁寧に対応していただけたと感謝の声も多くあり、混乱する中の対応に敬意を表するところであります。募集期間が1か月強と短期間だったため、申請できなかったグループもあるようで、今後に期待をしておられます。今定例会にこの補助金を活用した先駆的事例等発信・支援事業費が予算計上されております。こうした先駆的事例を共有し、また、対応反省も踏まえ、この先の取組をどのようにお考えでしょうか。  今回のような補助金は、平常時であれば、地域振興局や産業労働部の別の課が取り扱うものだったのだと思います。営業部としては、大変御苦労された中で、今回得た普段交流がなかなかない飲食・宿泊業の方々等とのつながりや、新たに見ることができた様々な実情が、今後、信州ブランドの発信の推進をはじめとする本来の役割にどのように生きてくると感じておりますでしょうか。       〔信州ブランド推進監兼営業局長熊谷晃君登壇〕 ◎信州ブランド推進監兼営業局長(熊谷晃 君)飲食・サービス業等新型コロナウイルス対策応援事業について7点御質問をいただきました。順次お答えしてまいります。  まず、審査が厳しくなったのではないかといった声とその誤解の理由についてでございます。  本事業は、コロナ禍にあって、できるだけ事業者の皆さんの負担を減らし、簡便な手続によって申請いただけるよう、商工会議所、商工会の経営指導員の方々と県職員がサポートする形で取組を開始しました。  営業局では、県内を5ブロックに分け、職員を2名ずつ配置して事前サポートから当たっております。事前サポートでは、必要書類や申請内容のチェック、事業をより効果のあるものにするための相談のほか、データベースを作成し、事業ごとに相談内容や処理状況を記録しております。  審査の際には、審査員が審査表に基づきチェックするほか、データベースから過去の申請事例等との比較もして審査していることから、審査時期の違いによる審査の差異は生じていないものと認識しております。審査が厳しくなったといった誤解につきまして、当方では確認できておりませんが、2期、3期と最終期限が迫るごとに、かなり急いで提出されたと思われる申請が多くなったために、営業局からの申請内容についての問合せの頻度が多くなったことなどが一部の申請者にそのように受け止められた理由ではないかと考えております。  続きまして、交付決定事業の内容の公表についてでございます。  現在、交付決定案件に関しては、グループの所在市町村名、グループ名、事業名、交付決定金額を順次公表しております。今回は、交付決定件数も非常に多うございますので、事業内容につきましては、現在、これをいかに分かりやすく効果的に公表できるかを研究しているところでございまして、整理次第、できるだけ早期に公表してまいります。  次に、交付決定が遅れている理由についてです。  大変御期待をいただいておる事業でございますので、交付決定までに予想以上に時間を要してしまったことにつきまして大変申し訳なく思っているところでございます。  審査が遅れてしまった理由として、次の3点を考えております。  まず、当初の想定の約6倍に及ぶ584件の申請をいただいたことでございます。これは、本年度の元気づくり支援金の申請総数に匹敵するものでありまして、7月からは、部内はもとより、他部からの応援も受け、9月に入りようやく終局の目途がたってまいりました。  2点目としては、事業者の皆さんに寄り添い支援を行うための事前サポート制を取ったことでございます。申請者がグループであることもあり、こちらも予想以上に時間を要することになりました。  3点目は、3期目に、1期、2期合計の1.8倍もの申請がなされるなど、駆け込みでの申請が急増し、申請内容の確認自体にかなりの時間を費やしたことでございます。  次に、交付判断待ちの案件と審査の終了の予定についてでございます。  本日現在で、交付判断待ちの案件は59件であります。その全てが、1度審査会にかけたものの、再度の確認が必要と判断したものでありまして、現在、申請者からの回答をお待ちしている状況でございます。  これらの申請に対しまして、引き続き早期の回答をお願いしてまいるとともに、期限を設けて申請者と接することで、今月中旬には一定の目途を立ててまいりたいと考えております。  次に、事業期間の変更についてです。  本事業の財源には国の補助金を活用させていただいておりまして、年度内に国に対する実績報告を提出する必要があり、制度上も来年度への繰越しが認められないことから、事業実施期間の延長は考えていないところでございます。  ただいま申し上げました再審査案件につきましては、申請者と引き続き連絡を取り、早期の採択に努めてまいります。  続きまして、先駆的事例の共有と今後の取組についてでございます。  今議会に御提案させていただいている飲食・サービス業等先駆的事例等発信・支援事業では、三つの事業に取り組んでまいります。  まず、補助金を活用して、新しい生活様式の下で新たなビジネスへチャレンジされているグループによる活動を映像で紹介することにより、それぞれの取組を支援するとともに、今後、活動を開始しようとされている皆さんへの支援にもつなげてまいります。  2点目は、当補助金で生まれた多くのキッチンカーを運営される皆さんへの出店可能スペースについての情報提供や、デリバリーの活動内容の県民への情報提供、在庫調整のために販売先を求めている商品情報の発信を行い、地域内での支え合いによる事業者支援の力を高めてまいります。  3点目は、県内事業者が運営するインターネットショッピングサイトの一元的な発信でございます。都道府県の取組では全国初となる県内事業者共同のショッピングモールとして、補助事業により新しい取組を始められた皆さんの発信力強化と売上増加を支援してまいります。  補助金は、決定して終わりではなく、今後も県が引き続き支援していくことで、これら事業の発展と他の事業者による新たなチャレンジの誘発を図ってまいります。  最後になりますが、本事業を通じて得た事業者とのつながりなどを信州ブランドの発信の推進にどう生かすかについてのお尋ねでございます。  営業局の役割としては、とかく県外、国外への売込みに力を入れがちでございますが、もう一つの大きな役割としては、県外、国外の多くの皆さんに本県にお越しいただき、飲食、宿泊をはじめとするサービスを御利用いただくことによりまして、本県の稼ぐ力とブランド力を向上させることが重要でございます。  今回生まれた事業、例えば、キッチンカーが県内の観光地や街中で様々な信州の魅力ある食を提供する。温泉街の皆さんが共同の予約サイトを構築することによりまして、安心して長期連泊ができる環境を整えること。そして、このような取組が次々と県内各地で誘発されることなどによりまして信州ブランドの発信を一層強力なものとしていく可能性があると感じております。  以上でございます。       〔10番寺沢功希君登壇〕 ◆10番(寺沢功希 君)局長の御答弁にもありましたが、交付で終わりではなく、事業を継続していくように引き続き御支援のほうをよろしくお願いいたします。  次に、各大学では、夏休みも終わり、後期授業がスタートしております。前期ではほとんどの学校がオンライン授業で対応しておりましたが、後期からは、コロナウイルスという見えない敵におびえながらも、様々な対応、工夫を凝らしながら対面授業を復活させている大学が多い一方、今年度はオンライン授業のみとしている大学もあるのが現状です。新型コロナウイルスは、大学進学の考え方にも影響を及ぼしているようです。  そこで、県民文化部長にお聞きします。  県内大学の現在の授業方法の状況はどのようになっておりますでしょうか。  今年度からスタートする大学入学共通テストの出願受付が始まりました。今回、実施期日は、第1日程、1月16日、17日と、第2日程、1月30日、31日の二つの日程が用意されております。これは、主に首都圏の高校が第1日程までに授業で出題範囲の全てを終えることが困難であるとの声を受けての措置であるようです。県立高校で学習進度が第1日程に間に合わない学校はありますでしょうか。  県立高校では、生徒に対し、どちらの日程で受験するか意向調査を実施したようですが、実際に第2日程で受験する生徒はどの程度いますでしょうか。  私立大学では2月1日から一般選抜が始まりますが、第2日程を選択した場合、共通テスト利用の私立大学の一般選抜に影響はないのでしょうか。近年では、2月、3月の一般選抜を待たずして、総合型選抜、学校推薦型選抜等により年内に進学先を決定する生徒の割合が多くなってきておりますが、新型コロナウイルス感染症を受けて、今年度は一般選抜以外を選択する生徒の割合がさらに増加するのではと見られております。  一方で、大学側は、長野県立大学を含め、全国の大学で、一般選抜以外に地域枠を新たに設けたり、昨年度よりその割合を増やす学校が出てきています。この状況が、多くが県外大学に進学する我が県の生徒たちにどの程度影響を与えていると認識しておりますでしょうか。  今年4月、新型コロナウイルスで混乱する中、合格を勝ち取り、夢を抱いて大学に進学したものの、一度もキャンパスに足を踏み入れることがなく、また、オンラインだけの学びを受ける中で、自らの入学先の決定や、このまま在学する意味、そもそも大学で学ぶ意義に疑問を持つ生徒も多いと聞いています。この状況は、高校生の進路選択の考え方に影響を与えるものと思います。受けたい学びを思うように受けることが難しい今、進路指導をどのように進めていくのでしょうか。以上、教育長にお聞きします。  また、長野県立大学では、1年次の全寮制、2年次の海外プログラムが実施できない状況であり、いつから再開できるのかも不透明な状況だと思います。この大きな二つの魅力を失っている中、県立大としての特色ある学びをどのように実践し、また、発信していくのでしょうか。県民文化部長にお聞きします。       〔県民文化部増田隆志君登壇〕 ◎県民文化部長(増田隆志 君)2点御質問をいただきました。  まず、1点目の県内大学の後期の授業方法の状況でございますが、長野県内には、4年生大学が10校、短期大学が8校の計18校ございます。後期の授業方法につきましてそれぞれ聞き取りを行いましたところ、対面授業を主体に行うところが12校、遠隔授業を主体に行うところが3校、対面授業と遠隔授業を併用するというところが3校でございました。多くの大学、短大で、感染対策を徹底しながら、早いところで8月、主には9月以降対面授業を再開している状況となっております。なお、遠隔事業主体の3校におかれましても、一部の実習科目、実験科目については対面授業で実施するというふうにお伺いしております。  次に、長野県立大学の特色ある学びの実践の発信について、コロナ禍でどうやっていくかという御質問でございます。  御指摘のとおり、県立大学におきましては、1年次の全寮制によって共同生活を送るということと、象山未来塾と呼んでおりますが、地域の経営者と語り合う学習プログラムを持っております。こうしたことで、コミュニケーション能力や社会性、主体性を養っているところですが、9月までは入寮を停止してございました。9月中旬から、感染症対策に十分配慮しながら、1年生のおおむね3分の1程度に入寮を認めているところでございます。  また、象山未来塾は、11月から、1年生全員を対象にオンラインまたは対面で実施する予定としております。  海外プログラムは、通常、第2学年において組み込んでおりますが、今年度中の実施は困難と判断しております。来年度以降、今年度実施できなかった学年も含めて実施することを目指して内部で検討を行っているところでございます。  コロナ禍におきまして、これらの取組を工夫しながら実施してまいりますとともに、他にも優れた特色、英語集中プログラムや少人数クラスによる発信力ゼミ、学長による新入生全員との面談といったことに象徴される親身な教育などに工夫しながら努めているところでございます。  本年は、オープンキャンパスもウェブ開設となりましたけれども、オープンキャンパスや高校訪問など発信方法を工夫しながら、こうした特色を高校生や保護者、高校等に積極的に発信してまいりたいと考えているところでございます。  以上です。       〔教育長原山隆一君登壇〕 ◎教育長(原山隆一 君)大学進学に関する御質問でございます。  まず、大学入学共通テストの第1日程と学習進度についてのお尋ねであります。  県独自の調査でありますけれども、県立高校の学習進度について、5月末での平均は42.3%でしたが、9月末には90.5%に回復しています。この状況から、第1日程に十分対応できるというふうに考えております。  大学入学共通テストの第2日程を受験する生徒数であります。  文部科学省が7月に全国を対象に意向調査を実施しました。7月時点の県内の数値について言いますと、大学入学共通テスト受験予定数6,694人のうち、第2日程を希望する受験生は約7.4%の496人という調査結果でございました。実際にはどうなのかということでありますけれども、共通テストの出願日が10月8日でありますので、現時点では不明というのが状況でございます。  それから、大学入学共通テストの第2日程を選択した場合の私立大学入試への影響についてのお尋ねであります。  文科省では、高等学校での臨時休校等の実施を踏まえまして、入学志願者の進学の機会の確保に向けまして各大学に必要な措置を最大限講じるよう求めているところでございます。  各大学の募集要項の発表は12月15日までとされておりまして、多くの大学が文科省の要請に応じて必要な措置を講じた要項を発表しているところでありますが、まだ対応を明らかにしていない大学もあるところであります。今後、期日までに全ての大学が必要な措置を講じることを期待しているところであります。  それから、地域枠の拡大等が県内の受験生に与える影響はいかがかという御質問でございます。  議員御指摘のとおり、今年度は、総合型選抜や学校推薦型選抜を活用した受験を希望する生徒が例年より多い傾向にあるというふうに承知しています。また、県内大学への志願者が増加し、県外大学への志願者は減少するといった傾向も見てとれるところであります。  大学の地域枠については、県内の高校生が多数進学する県外の国公立大学を調べましたが、36校中5校が拡大しており、人数は34名でございます。このように、地域枠の増加数自体は大きくなく、県外の大学を受験する生徒への影響は限定的ではないかというふうに考えております。  最後に、コロナ禍における大学進学に対する進路指導についてであります。  新型コロナウイルス感染症の影響によりまして、今年度の前期の授業は、大学によってはオンライン授業が主体で、キャンパスに通うことができない学生がいたことは承知しております。  高校においては、これまでも、生徒の適性に合わせ、様々な選択肢から生徒自身が大学を選択できるよう丁寧な進路指導がなされてきたところであります。今回のコロナ禍においては、生徒との面談を重ね、最新の入試情報を提供し、入学後の学習環境等を共に確認したり、改めて大学で学ぶ意義を問い直す場を設けたりするなど、さらにきめ細やかな進路指導を行ってきているところであります。  生徒に寄り添った進路指導が各校でなされ、一人一人の人生が未来に向かって切り開けるよう、県教育委員会としても、大学進学に関わる最新の情報や、現場のニーズに応じた進路指導のポイントの資料を提供する等支援してまいりたいというふうに考えております。       〔10番寺沢功希君登壇〕 ◆10番(寺沢功希 君)コロナにより県内大学を志望する学生が増えているということで、非常に複雑な気持ちもありますが、ぜひこの機会に、地元に残りたいという学生たちをどんどん支援して、魅力ある大学を県内につくっていっていただきたいと思いますし、10月になりまして総合型選抜等が始まってきますので、子供たちの未来につながる細やかな進路指導をよろしくお願いいたします。  次に、平成26年9月、国において地域における医療及び介護を総合的に確保するための基本的な方針が策定され、その中で、地域包括ケアシステムの構築が基本的方向の一つとされております。  本県においても、平成29年3月に、誰もが住み慣れた地域で安心して暮らしていけるよう地域医療構想が策定され、基本方針の一つを、保健、医療、介護、福祉の連携と自治の力を生かした地域包括ケア体制の構築としています。  地域包括ケアシステムでは、最も気軽に相談できる立場であるとして、かかりつけ薬剤師・薬局は重要な一翼を担うことが期待されており、地域包括ケアへの参画が、かかりつけ医と連携しながら健康の維持増進を図りつつ、困ったときの相談役と医療必要時の適切な薬物療法の提供、住民の安心、安全な生活の確保に貢献するとされております。  そこで、健康福祉部長にお聞きします。  かかりつけ薬剤師・薬局を推進するに当たり、薬剤師の人材確保は急務となってまいります。しかし、県による県内全薬局を対象とした薬剤師需要状況調査によれば、県内どの地域においても、かかりつけ薬剤師・薬局の機能を充実させるためには薬剤師が不足している現状が明確となり、その数は、実に県全体で約1,000名足りていないという状況です。  今回調査対象とならなかった県内の病院、診療所での需要状況はいかがでしょうか。特に、県立病院での状況はいかがでしょうか。
     平成30年3月に策定された第2期信州保健医療総合計画では、県の人口10万人対薬局薬剤師数を、平成28年の127.7人から、令和5年に135.6人以上にすると数値目標が掲げられております。これは、目標数値の考え方を「全国平均より増加させる。」としており、平成28年の全国値が135.6人であるためです。  今年4月に公表された総合計画の平成30年度進捗状況評価では、目安値130人に対し実績値134.3人となり、進捗区分は、実績値が目安値以上の場合のAと評価されております。目標数値の考え方からすれば、毎年全国値が変動する可能性のある中、目安値を130人としたことは妥当なのか。さらに、実際、全国値は142.7人に増加しており、県と全国との差が7.9人から8.4人と大きくなっており、この状況でも進捗をAと評価できるのか、疑問です。改めて、全国値との差が目標設定時より広がってしまったこの状況をどう評価しておりますか。  また、県では、薬剤師の確保育成に向けた事業を実施されておりますが、これらによりどのような効果がどの程度出ていると認識しておられますでしょうか。  平成28年10月から、都道府県知事への届出を行い、かかりつけ薬局の基本的な機能に加え、地域住民の健康維持や増進について積極的に支援する位置づけである健康サポート薬局制度が始まりました。国の目標は中学校区に一つのようですが、要件を満たすハードルがかなり高いこともあり、その数があまり増えないようであります。平成30年8月末時点で全国に1,089軒、うち本県には18軒でしたが、現在の状況はいかがでしょうか。また、この状況に薬剤師不足はどの程度影響を与えているとお考えでしょうか。  長野県の薬剤師不足の大きな要因の一つは、県内大学に薬学部がないということです。県外大学に進学し、薬剤師の資格を取得し、卒業後そのまま県外に就職するケースが多いと言われています。  2020年度現在、薬学部は全国32都道府県の77校に設置されており、そのうち国立が14校、公立が4校と、8割弱が私立になります。6年制の定員で比較すると、全定員1万1,648人に対し国公立の定員は916人と実に8%のみで、さらに地域枠が設定されている学校もあることからかなりの狭き門となり、県内学生の大多数が私立を選択せざるを得ない現状になっています。  年間学費約60万円、6年間で約360万円と比較的安価な国公立に比べ、私立になると、初年度納付金約240万円、6年間で約1,300万円と大変高額になります。加えて、自宅からの通学は不可能なため、生活費が必ずかかってきます。この金銭的負担は大変大きく、これを理由に志望を断念する子供たち、御家庭も多いのが現状です。  県内の奨学金制度を調べてみますと、卒業後、民医連に加盟する薬局に貸与期間と同期間勤務すれば返済免除というもの、また、県立病院機構による県立病院に就職後、日本学生支援機構等から受けた奨学金に対して月々の返済分を負担するといったものはあります。  県の制度を見ますと、卒業後、県内で従事した場合に返済免除となる奨学金制度が医師や保育士等にはありますが、薬剤師にはありません。薬剤師の裾野を広げるため、学ぶための一歩を踏み出すときの障壁を少しでも取り除くため、薬学部がない県として、最低限、薬学生奨学金制度の創設を御検討いただけないでしょうか。  令和元年5月現在、全国の6年制薬学部に在籍する県出身学生の合計は878人、これは、全国で23番目、人口順位と比較すると、長野県より上位に我が県より人口の少ない県が7県も名を連ねています。  長期的ビジョンで考えれば、やはり県内で薬剤師を育てることも視野に入れるべきです。学生一人当たりの運営経費が理学部や看護学部と同程度であります薬学部の誘致、県内大学への薬学部新設への働きかけ、特に安価で安定的に安心して学べるという観点から長野県立大学への設置ができればベストだと思いますが、今後の取組についてどのようにお考えでしょうか。以上2点について知事にお聞きします。       〔健康福祉部長土屋智則君登壇〕 ◎健康福祉部長(土屋智則 君)薬剤師不足について4点御質問をいただきました。  最初に、病院、診療所における薬剤師の状況についてでございます。  厚生労働省の医師・歯科医師・薬剤師調査の結果では、平成30年度の長野県における人口10万人当たりの業態別薬剤師数は、全国平均と比較をいたしますと、薬局では平均より少なく、病院、診療所では平均を上回っているといった状況でございます。  しかしながら、病院薬剤師は、日々進歩する医療の高度化に対応するため年々業務が増加しており、病院薬剤師も足りていないといった声を多く耳にするところでございます。  長野県立病院機構においても応募者数が年々減少しており、特に、平成30年度以降では、応募者数が採用予定者数を下回るなど、厳しい状況が続いているものと承知をしております。  次に、第2期信州保健医療総合計画の目標に対する実績の評価ということでございます。  計画を策定した平成28年には、人口10万人当たりの薬局薬剤師数が全国平均値より7.9人少ない状況にあったため、計画最終年には計画策定時の全国平均値を上回ることを目標として設定したものであります。  平成30年の薬局薬剤師数は人口10万人当たり134.3人となり、計画の目安値を上回っておりますが、一方で、全国平均のほうも増加しておりまして、議員御指摘のとおり、差は8.4人と広がっているところでございます。  全国的には、薬剤師の確保により成果を上げている県もあると認識してございまして、それらの県の取組も参考にしつつ、対策を強化してまいりたいというふうに考えております。  次に、確保育成のための事業の効果ということでございます。  県では、県外在住の未就業薬剤師の掘り起こしと、長野県へのUIターン就職を希望する薬剤師、薬学生等の県内就職を促進するため、首都圏や中京圏などにおいて復職・就職説明会を継続的に開催しております。今年の2月に開催した銀座NAGANOなどでの説明会にも、現役薬学生や移住希望者に参加をしていただいております。  また、育児、介護等で離職をした方を対象として、病院、薬局等への復帰に必要な最新の医療技術、医薬品情報、保険調剤業務等を習得するための研修会も開催してございまして、昨年度この研修に参加した方についても着実に復職に結びついているところであります。  さらに、将来を見据え、中高校生を対象に、薬剤師について理解と興味を持ってもらうための薬剤師セミナーを松本市で開催し、生徒や保護者など200名を超す方に御来場いただきました。それぞれ目的に沿った一定の効果が出ているものと考えているところであります。  次に、健康サポート薬局の状況についてというお尋ねでございます。  地域住民の病気の予防や健康サポートに貢献する機能を兼ね備えた健康サポート薬局は、8月末現在、県内の43薬局に届出をいただいております。県内の全薬局総数は987でございまして、2025年までの目標としている全薬局数の2割程度にはまだこれからといった状況であろうかというふうに考えております。  昨年実施した薬剤師需要状況調査の結果によりますと、健康サポート薬局の届出を行うに当たり障壁となっている事項といたしましては、手順書の整備、在宅医療への関わりの実績、さらには地域における健康サポートの実績といったことが挙げられてございまして、これらをクリアできない状況というのは、必ずしも薬剤師不足だけが要因ではないものの、その影響はあるものというふうに考えているところでございます。  以上でございます。       〔知事阿部守一君登壇〕 ◎知事(阿部守一 君)薬剤師の確保について私には大きく二つ御質問を頂戴いたしました。  薬剤師の皆様方には健康長寿県づくりに大変御貢献をいただき、また、薬局の皆さんにも健康づくりの拠点として御尽力いただいております。そういう中で、薬剤師の確保は私も重要な課題だというふうに考えております。  薬剤師を確保するための方策として、薬学生奨学金制度の創設という御提案でございます。  こうした奨学金制度もその一つの手法だというふうに考えますが、このほかにも、例えば、県内に就職した薬剤師の方が学生時に借りている奨学金の返還を助成するといったような手法もあるというふうに思います。様々な支援の在り方も含めて、薬剤師確保のためどのような対策、方策が必要か、幅広く検討していきたいと考えております。  続きまして、薬学部の設置についてでございます。  県内大学への進学者数を増加させ人材を県内に定着させるということは、薬学部関係に限らず、本県の高等教育や地域産業を振興する上で重要な課題だというふうに認識しております。  そのため、県として策定いたしました長野県高等教育振興基本方針におきましては、既存の県内大学にない学部等を設置し、人材定着につながる取組を行う大学を支援することにしております。  今後は、県内高校生等の進学ニーズや様々な人材ニーズを踏まえながら、県内の人材不足に対応するためどのような分野の学部が必要か、地域課題にどのように貢献できるかなど、県内で充実すべき高等教育機関の在り方について県内大学とも連携して検討を深めていきたいと考えております。  また、県立大学への薬学部設置という御質問でございますが、県立大学につきましては、開学まだ3年目ということで間もないことから、まずは現在の学部構成によりまして所期の目的をしっかり達成できるよう全力を挙げていきたいと考えております。  引き続き薬剤師の確保育成に向けた取組を推進し、県内の薬剤師の充足に努めてまいりたいと考えております。  以上です。       〔10番寺沢功希君登壇〕 ◆10番(寺沢功希 君)それぞれ御答弁をいただきました。ぜひ前向きに御検討いただきたいと思います。  県には医師・看護人材確保対策課がありますが、どこかの職種だけが充足すればいいということではありません。医師、看護師、介護士、それから薬剤師の一体的な人材確保に取り組んでいっていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。  医療従事者の皆さんは、日々、新型コロナウイルス感染症と闘っておられ、その姿には心から感謝するところであります。しかし、子供たちがその過酷さを目にしたとき、抱く将来にどう影響するか、不安もあります。  私は、多くの子供たちが、自らがその世界に従事し、力となり、第一線で活躍したいと思ってくれることを期待しています。しかし、せっかく抱いた夢を環境面や金銭面で断念させてはいけません。そのために、県にはぜひ未来への投資をちゅうちょなく行っていただくことを強くお願いいたしまして、私からの一切の質問を終わります。 ○議長(小池清 君)以上で行政事務一般に関する質問及び知事提出議案に対する質疑は終局いたしました。          ────────────────── ○議長(小池清 君)お諮りいたします。第24号「公安委員会委員の選任について」及び第25号「教育委員会委員の選任について」は、それぞれ会議規則第44条の規定により委員会付託を省略いたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。       〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(小池清 君)御異議なしと認めます。よって、本件はそれぞれ委員会審査を省略することに決定いたしました。  本件それぞれに対して討論の通告がありませんので、本件を一括して採決いたします。  本件それぞれ、原案どおり同意するに御異議ありませんか。       〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(小池清 君)御異議なしと認めます。よって、本件はそれぞれ原案どおり同意することに決定いたしました。          ━━━━━━━━━━━━━━━━━━ △知事提出議案委員会付託 ○議長(小池清 君)次に、お諮りいたします。第21号「令和元年度長野県一般会計及び特別会計の決算の認定について」及び第22号「令和元年度長野県企業特別会計剰余金の処分及び決算の認定について」は、決算特別委員会に付託の上、審査することにいたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。       〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(小池清 君)御異議なしと認めます。よって、本件は決算特別委員会に付託の上、審査することに決定いたしました。付託一覧表は後刻お手元に配付いたします。          ────────────────── ○議長(小池清 君)次に、残余の知事提出議案をそれぞれ所管の委員会に付託いたします。  各委員会におかれては、慎重審議の上、速やかに議長の手元まで審査報告書を提出願います。付託一覧表は後刻お手元に配付いたします。          ━━━━━━━━━━━━━━━━━━ △請願・陳情提出報告、委員会付託 ○議長(小池清 君)次に、去る6月定例会後、県議会に対して請願及び陳情の提出がありましたので、報告いたします。       〔職員朗読、議案等の部「4 請願・陳情文書表」参照〕 ○議長(小池清 君)以上であります。  ただいま報告いたしました請願及び陳情を、それぞれ関係の委員会に付託いたします。  各委員会におかれては、慎重審議の上、速やかに議長の手元まで審査報告書を提出願います。請願・陳情文書表は後刻お手元に配付いたします。          ━━━━━━━━━━━━━━━━━━ △議員提出議案の報告 ○議長(小池清 君)次に、議員から議案の提出がありましたので、報告いたします。       〔職員朗読〕 議第1号         長野県脱炭素社会づくり条例案提出書                                令和2年10月1日      長野県議会議長 小 池   清 様            提 出 者              風 間 辰 一  小 島 康 晴  諏 訪 光 昭              毛 利 栄 子  垣 内 基 良  宮 下 克 彦              小 林 東一郎  中 川 宏 昌  山 口 典 久              石 和   大  酒 井   茂  共 田 武 史              花 岡 賢 一  小 山 仁 志            賛 成 者              望 月 雄 内  服 部 宏 昭  萩 原   清              本 郷 一 彦  平 野 成 基  向 山 公 人              佐々木 祥 二  西 沢 正 隆  鈴 木   清              清 沢 英 男  宮 本 衡 司  丸 山 栄 一              山 岸 喜 昭  依 田 明 善  堀 内 孝 人              丸 山 大 輔  大 畑 俊 隆  竹 花 美 幸              竹 内 正 美  丸 茂 岳 人  大 井 岳 夫              山 田 英 喜  荒 井 武 志  髙 島 陽 子              埋 橋 茂 人  続 木 幹 夫  中 川 博 司              寺 沢 功 希  池 田   清  熊 谷 元 尋              望 月 義 寿  宮 澤 敏 文  清 水 純 子              川 上 信 彦  加 藤 康 治  清 水 正 康              高 村 京 子  和 田 明 子  両 角 友 成              小 林 君 男  地方自治法第112条及び長野県議会会議規則第23条第1項の規定により、議案を別紙のとおり提出します。
             ────────────────── 議第2号         私学助成の更なる充実を求める意見書案提出書                                令和2年10月1日      長野県議会議長 小 池   清 様            提 出 者              萩 原   清            賛 成 者              小 島 康 晴  望 月 雄 内  服 部 宏 昭              本 郷 一 彦  平 野 成 基  向 山 公 人              佐々木 祥 二  風 間 辰 一  西 沢 正 隆              鈴 木   清  垣 内 基 良  清 沢 英 男              宮 本 衡 司  丸 山 栄 一  山 岸 喜 昭              依 田 明 善  石 和   大  堀 内 孝 人              酒 井   茂  丸 山 大 輔  共 田 武 史              大 畑 俊 隆  宮 下 克 彦  竹 花 美 幸              竹 内 正 美  丸 茂 岳 人  大 井 岳 夫              山 田 英 喜  小 林 東一郎  荒 井 武 志              髙 島 陽 子  埋 橋 茂 人  続 木 幹 夫              中 川 博 司  寺 沢 功 希  花 岡 賢 一              池 田   清  熊 谷 元 尋  望 月 義 寿              宮 澤 敏 文  諏 訪 光 昭  清 水 純 子              中 川 宏 昌  小 山 仁 志  川 上 信 彦              加 藤 康 治  清 水 正 康  毛 利 栄 子              高 村 京 子  和 田 明 子  両 角 友 成              山 口 典 久  小 林 君 男  長野県議会会議規則第23条第1項の規定により、議案を別紙のとおり提出します。          ────────────────── 議第3号         新型コロナウイルス感染症の拡大防止と社会経済活動の         両立に関する意見書案提出書                                令和2年10月1日      長野県議会議長 小 池   清 様            提 出 者              風 間 辰 一  小 島 康 晴  諏 訪 光 昭              毛 利 栄 子            賛 成 者              垣 内 基 良  望 月 雄 内  服 部 宏 昭              萩 原   清  本 郷 一 彦  平 野 成 基              向 山 公 人  佐々木 祥 二  西 沢 正 隆              鈴 木   清  清 沢 英 男  宮 本 衡 司              丸 山 栄 一  山 岸 喜 昭  依 田 明 善              石 和   大  堀 内 孝 人  酒 井   茂              丸 山 大 輔  共 田 武 史  大 畑 俊 隆              宮 下 克 彦  竹 花 美 幸  竹 内 正 美              丸 茂 岳 人  大 井 岳 夫  山 田 英 喜              小 林 東一郎  荒 井 武 志  髙 島 陽 子              埋 橋 茂 人  続 木 幹 夫  中 川 博 司              寺 沢 功 希  花 岡 賢 一  池 田   清              熊 谷 元 尋  望 月 義 寿  宮 澤 敏 文              清 水 純 子  中 川 宏 昌  小 山 仁 志              川 上 信 彦  加 藤 康 治  清 水 正 康              高 村 京 子  和 田 明 子  両 角 友 成              山 口 典 久  小 林 君 男  長野県議会会議規則第23条第1項の規定により、議案を別紙のとおり提出します。          ────────────────── 議第4号         軽油引取税の課税免除措置の継続を求める意見書案提出         書                                令和2年10月1日      長野県議会議長 小 池   清 様            提 出 者              風 間 辰 一            賛 成 者              小 島 康 晴  望 月 雄 内  服 部 宏 昭              萩 原   清  本 郷 一 彦  平 野 成 基              向 山 公 人  佐々木 祥 二  西 沢 正 隆              鈴 木   清  垣 内 基 良  清 沢 英 男              宮 本 衡 司  丸 山 栄 一  山 岸 喜 昭              依 田 明 善  石 和   大  堀 内 孝 人              酒 井   茂  丸 山 大 輔  共 田 武 史              大 畑 俊 隆  宮 下 克 彦  竹 花 美 幸              竹 内 正 美  丸 茂 岳 人  大 井 岳 夫              山 田 英 喜  小 林 東一郎  荒 井 武 志              髙 島 陽 子  埋 橋 茂 人  続 木 幹 夫              中 川 博 司  寺 沢 功 希  花 岡 賢 一              池 田   清  熊 谷 元 尋  望 月 義 寿              宮 澤 敏 文  諏 訪 光 昭  清 水 純 子              中 川 宏 昌  小 山 仁 志  川 上 信 彦              加 藤 康 治  清 水 正 康  毛 利 栄 子              高 村 京 子  和 田 明 子  両 角 友 成              山 口 典 久  小 林 君 男  長野県議会会議規則第23条第1項の規定により、議案を別紙のとおり提出します。          ────────────────── 議第5号         介護サービス事業所の経営安定化に向けた支援を求める         意見書案提出書                                令和2年10月1日      長野県議会議長 小 池   清 様            提 出 者              風 間 辰 一  小 島 康 晴  諏 訪 光 昭              毛 利 栄 子            賛 成 者              垣 内 基 良  望 月 雄 内  服 部 宏 昭              萩 原   清  本 郷 一 彦  平 野 成 基              向 山 公 人  佐々木 祥 二  西 沢 正 隆              鈴 木   清  清 沢 英 男  宮 本 衡 司              丸 山 栄 一  山 岸 喜 昭  依 田 明 善              石 和   大  堀 内 孝 人  酒 井   茂              丸 山 大 輔  共 田 武 史  大 畑 俊 隆
                 宮 下 克 彦  竹 花 美 幸  竹 内 正 美              丸 茂 岳 人  大 井 岳 夫  山 田 英 喜              小 林 東一郎  荒 井 武 志  髙 島 陽 子              埋 橋 茂 人  続 木 幹 夫  中 川 博 司              寺 沢 功 希  花 岡 賢 一  池 田   清              熊 谷 元 尋  望 月 義 寿  宮 澤 敏 文              清 水 純 子  中 川 宏 昌  小 山 仁 志              川 上 信 彦  加 藤 康 治  清 水 正 康              高 村 京 子  和 田 明 子  両 角 友 成              山 口 典 久  小 林 君 男  長野県議会会議規則第23条第1項の規定により、議案を別紙のとおり提出します。          ────────────────── 議第6号         尖閣諸島の有効な支配を求める意見書案提出書                                令和2年10月1日      長野県議会議長 小 池   清 様            提 出 者              風 間 辰 一  宮 本 衡 司            賛 成 者              垣 内 基 良  望 月 雄 内  服 部 宏 昭              萩 原   清  本 郷 一 彦  平 野 成 基              向 山 公 人  佐々木 祥 二  西 沢 正 隆              鈴 木   清  清 沢 英 男  丸 山 栄 一              山 岸 喜 昭  依 田 明 善  石 和   大              堀 内 孝 人  酒 井   茂  丸 山 大 輔              共 田 武 史  大 畑 俊 隆  宮 下 克 彦              竹 花 美 幸  竹 内 正 美  丸 茂 岳 人              大 井 岳 夫  山 田 英 喜  長野県議会会議規則第23条第1項の規定により、議案を別紙のとおり提出します。          ────────────────── 議第7号         ドクターヘリの安定的かつ持続的な運用に向けた一層の         取組を求める意見書提出書                                令和2年10月1日      長野県議会議長 小 池   清 様            提 出 者              諏 訪 光 昭            賛 成 者              風 間 辰 一  望 月 雄 内  服 部 宏 昭              萩 原   清  本 郷 一 彦  平 野 成 基              向 山 公 人  佐々木 祥 二  西 沢 正 隆              鈴 木   清  垣 内 基 良  清 沢 英 男              宮 本 衡 司  丸 山 栄 一  山 岸 喜 昭              依 田 明 善  石 和   大  堀 内 孝 人              酒 井   茂  丸 山 大 輔  共 田 武 史              大 畑 俊 隆  宮 下 克 彦  竹 内 正 美              竹 花 美 幸  丸 茂 岳 人  大 井 岳 夫              山 田 英 喜  小 島 康 晴  小 林 東一郎              荒 井 武 志  髙 島 陽 子  埋 橋 茂 人              続 木 幹 夫  中 川 博 司  寺 沢 功 希              花 岡 賢 一  池 田   清  熊 谷 元 尋              望 月 義 寿  宮 澤 敏 文  清 水 純 子              中 川 宏 昌  小 山 仁 志  川 上 信 彦              加 藤 康 治  清 水 正 康  毛 利 栄 子              高 村 京 子  和 田 明 子  両 角 友 成              山 口 典 久  小 林 君 男  長野県議会会議規則第23条第1項の規定により、議案を別紙のとおり提出します。          ────────────────── 議第8号         外国人留学生の資格外活動に係る制限の緩和を求める意         見書提出書                                令和2年10月1日      長野県議会議長 小 池   清 様            提 出 者              宮 澤 敏 文            賛 成 者              風 間 辰 一  望 月 雄 内  服 部 宏 昭              萩 原   清  本 郷 一 彦  平 野 成 基              向 山 公 人  佐々木 祥 二  西 沢 正 隆              鈴 木   清  垣 内 基 良  清 沢 英 男              宮 本 衡 司  丸 山 栄 一  山 岸 喜 昭              依 田 明 善  石 和   大  堀 内 孝 人              酒 井   茂  丸 山 大 輔  共 田 武 史              大 畑 俊 隆  宮 下 克 彦  丸 茂 岳 人              竹 内 正 美  竹 花 美 幸  大 井 岳 夫              山 田 英 喜  小 島 康 晴  小 林 東一郎              荒 井 武 志  髙 島 陽 子  埋 橋 茂 人              続 木 幹 夫  中 川 博 司  寺 沢 功 希              花 岡 賢 一  池 田   清  熊 谷 元 尋              望 月 義 寿  諏 訪 光 昭  清 水 純 子              中 川 宏 昌  小 山 仁 志  川 上 信 彦              加 藤 康 治  清 水 正 康  長野県議会会議規則第23条第1項の規定により、議案を別紙のとおり提出します。       〔議案等の部「1 議案 (2)議員提出議案」参照〕 ○議長(小池清 君)以上であります。  ただいま報告いたしました議員提出議案を本日の日程に追加いたします。          ━━━━━━━━━━━━━━━━━━ △議員提出議案 ○議長(小池清 君)最初に、議第2号「私学助成の更なる充実を求める意見書案」、議第3号 「新型コロナウイルス感染症の拡大防止と社会経済活動の両立に関する意見書案」、議第4号 「軽油引取税の課税免除措置の継続を求める意見書案」、議第5号「介護サービス事業所の経営安定化に向けた支援を求める意見書案」及び議第7号「ドクターヘリの安定的かつ持続的な運用に向けた一層の取組を求める意見書案」を一括して議題といたします。  お諮りいたします。本案については、それぞれ会議規則第44条の規定により提出者の説明及び委員会付託を省略いたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。       〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(小池清 君)御異議なしと認めます。よって、本案はそれぞれ提出者の説明及び委員会審査を省略することに決定いたしました。  本案それぞれに対して質疑及び討論の通告がありませんので、本案を一括して採決いたします。  本案それぞれ、原案どおり決するに御異議ありませんか。       〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(小池清 君)御異議なしと認めます。よって、本案はそれぞれ原案どおり可決されました。          ━━━━━━━━━━━━━━━━━━ △議員提出議案 ○議長(小池清 君)次に、議第1号「長野県脱炭素社会づくり条例案」を議題といたします。  提出者の説明を求めます。
     風間辰一議員。       〔50番風間辰一君登壇〕 ◎50番(風間辰一 君)議第1号「長野県脱炭素社会づくり条例案」、通称ゼロカーボン条例について、提案者を代表して提案理由の説明をいたします。  私は、環境政策推進議員連盟及び環境政策推進条例(仮称)制定検討調査会の会長としてこの条例案の検討を進めてまいりましたので、その検討経過等も踏まえ、御説明申し上げます。  まず、本条例案を制定するに至った契機でありますが、大きく二つのことが挙げられます。  一つは、昨年6月に軽井沢町で開催されましたいわゆるG20関係閣僚会合に合わせて県が発表した持続可能な社会づくりのための協働に関する長野宣言であります。この長野宣言は、気候変動やプラスチック廃棄物等の課題への対応やSDGsの推進について、世界中の自治体へ協働を呼びかけるものでありまして、県議会といたしましても、この長野宣言をステップに、今後も長野県が先進的に環境政策を推進していくことが重要であると考え、長野宣言の発表から間を置かず、全議員が参加する環境政策推進議員連盟を設立するとともに、条例の制定に向けた検討を行うため、議員連盟の内部組織として調査会を設置いたしました。調査会は、昨年の7月5日に第1回調査会を開催し、以来、1年3か月の間に計12回開催いたしました。  長野宣言の趣旨を踏まえますと、県民の主体的な参加を求めていくことが不可欠であると考え、早々に条例案のたたき台を作成し、広く県民の声をお聴きする機会を設けることにより、条例骨子案の検討に生かしていくことといたしました。  具体的には、昨年10月から3か月間にわたり県議会ホームページにおいて条例案のたたき台に対する意見募集を行うとともに、市長会、町村会をはじめ、大学生、高校生、関係団体の皆様とも意見交換を行い、多くの意見をお寄せいただきました。  もう一つの端緒は、令和元年東日本台風災害により、我が県は100年に一度と言われる豪雨に見舞われ、未曽有の被害を受けたことであります。災害からの復旧に当たっては、早期の改良復旧を実現し、一刻も早く元の生活と安心を取り戻すとともに、災害に強い県土づくりの必要性を改めて感じたところであります。  同時に、そもそも、このような災害を引き起こす基となる昨今の異常気象による自然災害を未然に防ぐためにも、県民が一丸となり、脱炭素化を目指す取組を加速化させることの必要を強く感じたことから、昨年の11月県議会において、県が気候非常事態宣言をすることを求める決議案を本調査会から発案することといたしました。決議案は全会一致で可決され、この決議を受けて、知事におかれましては、都道府県で初となる気候非常事態宣言を行い、2050年には二酸化炭素排出量を実質ゼロにすることを決意されました。  こうした経過を踏まえ、本年6月に条例骨子案を取りまとめ、7月から1か月間パブリックコメントを実施し、その後、いただいた意見等を踏まえまして条例案として取りまとめたところでございます。  以上の経過を踏まえまして、条例案について説明させていただきます。  初めに、本条例案は、持続可能な脱炭素社会づくりという言葉を条例全体を貫くキーワードとして構成いたしました。  まず、前文においては、条例制定の背景、条例の目指すべき方向等を示しております。地球温暖化に起因するとされる気候変動の影響により我々の暮らしや命が脅かされている現状認識に基づき、これまで全国トップレベルのごみの減量等、先駆的な取組を行ってきた本県において、県民総ぐるみの運動により持続可能な脱炭素社会を実現し、国際社会の先導役として将来へ良好な環境を引き継ぐため、この条例を制定することとしております。  なお、文体でありますが、県民総ぐるみの取組を求めていくことから、より親しみやすいものとなることを考慮して、ですます調といたしました。  次に、目的においては、地球規模の環境保全の視点から、持続可能な脱炭素社会づくりに関する施策を総合的かつ計画的に推進することにより、循環型かつ災害に強い強靱な社会の実現を図り、もって県民の健康で文化的な生活の確保に寄与することとしております。  次に、基本理念においては、令和32年度(2050年度)までに二酸化炭素排出量を実質ゼロにすることを目標として行うことと、SDGsの考え方であります環境、経済及び社会の3側面に配慮しつつ、県、市町村、事業者、県民等が協働して取り組むことを本条例の基本的な考え方として定めております。なお、条例において年限を定めて二酸化炭素排出量を実質ゼロにする目標を規定したものとしては、都道府県で初めてになるものと思われます。  次に、県、事業者及び県民の各主体の責務を定め、本条例案の柱となる四つの施策について主体ごとの取組を定めましたので、特徴的な点を中心に御説明いたします。  一つ目は、エネルギー自立地域の確立といたしまして、県は、省エネルギーの推進、地域主導型の再生可能エネルギーの導入等の促進に加え、気候変動の影響に対する緩和策及び適応策を総合的に推進することを定めております。  二つ目は、プラスチックの資源循環の推進といたしまして、世界的な課題となっている海洋プラスチックの問題は、海なし県である我が県にとっても上流県の責務としての取組が不可欠であることから、主体ごとに取組を定めております。  なお、持続可能な脱炭素社会づくりに資する素材や製品への転換を意味するリプレイスの取組を明記し、これに、従前からの取組である3R、リデュース、リユース、リサイクルを合わせて4Rとして取り組む方向性を新たに打ち出しております。  三つ目は、先ほど申し上げましたリプレイスを促進するため、県は素材及び製品の開発及び活用を支援することと、新たな価値を生み出し経済社会の大きな変化を創出することを意味する産業イノベーションの創出の促進に県が努めることを定めております。  四つ目は、エシカル消費等の推進であります。エシカル消費とは、少し聞きなれない言葉ではありますが、思いやりのある消費行動のことであり、前文においてはもったいないの精神としております。各主体が消費行動としてエシカル消費の主体的な実践に取り組むとともに、生産側の取組として地消地産を推進することを定めております。なお、条例にエシカル消費の取組を規定している都道府県は極めて少なく、先駆的な取組になるものと考えております。  次に、施策を推進する方策を御説明いたします。  施策を総合的かつ計画的に推進するため、知事に、行動計画の策定と、県が講じた施策の実施状況について議会への報告と概要の公表等を義務づけております。また、県の努力義務として、必要な財政上の措置を講ずることを定めております。なお、行動計画はおおむね5年ごとに見直すこととし、条例の規定につきましてもおおむね5年ごとに必要に応じて見直し等の措置を講じることを定めております。  最後に、県と他の主体との連携等について御説明いたします。  県の施策の推進に当たっては、基礎的自治体である市町村との連携協力が不可欠であることから、市町村との協働連携等について明記し、環境教育の推進に関しましても市町村と連携して推進していくことを定めております。また、国内外の自治体との協働に加え、パブリックコメントにおける指摘を踏まえ、国との協働も盛り込むことといたしました。さらに、県が事業者等に対して必要な支援を行うことを定めております。  以上、条例案の概要について申し上げましたが、最後に、この条例に対する思いと県の施策への期待を申し添えたいと存じます。  平成21年9月に国連で採択された持続可能な開発のための2030アジェンダは、国際社会全体が、人間活動に伴い引き起こされる諸問題を喫緊の課題として認識し、協働して解決に取り組んでいくことを決意した画期的な合意とされております。  皆様御承知のSDGsは、このアジェンダの中核をなす世界共通の目標であり、2030年を達成年限とする17のゴールで構成し、全てのゴールは、直接的、間接的に環境に関連するものであるとされております。  我が県は、平成30年に全国で初めてSDGs未来都市に選定されるなど、SDGsの理念を意識した県政運営に先駆的に取り組んできたところであり、こうした取組を将来にわたって継続していくことは、まさに本条例案の意図するところであります。本条例の制定を機に、県民が一丸となって環境の課題に取り組み、持続可能な脱炭素社会を実現し、国際社会の先導役として次世代へ良好な環境を引き継ぐことにより、環境共生型の経済成長を実現しつつ、健康長寿県としての地位も確保されるものとして大いに期待するところであります。  なお、本条例案は議員提案条例でありますが、可決、公布された暁には、知事部局が所管することとなります。知事におかれましては、我々議員の思いをお酌み取りいただき、本条例を有効に活用して、行動計画の策定をはじめ、県民参加の下、効果的な施策を講じていただきますことを切にお願い申し上げます。  以上申し上げました理由からこの条例案を提出した次第でございます。議員各位におかれましては、趣旨を御理解いただき、御賛同を賜りますようお願い申し上げまして、提案理由の説明とさせていただきます。 ○議長(小池清 君)以上であります。  お諮りいたします。本案については、会議規則第44条の規定により委員会付託を省略いたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。       〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(小池清 君)御異議なしと認めます。よって、本案は委員会審査を省略することに決定いたしました。  本案に対して質疑及び討論の通告がありませんので、本案を採決いたします。  本案、原案どおり決するに御異議ありませんか。       〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(小池清 君)御異議なしと認めます。よって、本案は原案どおり可決されました。          ━━━━━━━━━━━━━━━━━━ △議員提出議案 ○議長(小池清 君)次に、議第6号「尖閣諸島の有効な支配を求める意見書案」を議題といたします。  提出者の説明を求めます。  宮本衡司議員。       〔43番宮本衡司君登壇〕 ◎43番(宮本衡司 君)議員提出議案、議第6号「尖閣諸島の有効な支配を求める意見書案」について代表して提案説明をいたします。  9月18日に、石垣市議会で、尖閣諸島上陸調査決議と尖閣諸島上陸調査活動及び気象・海象観測拠点、灯台、無線中継施設、船溜まり等の整備を求める意見書が可決されました。今回提出した意見書と同様の内容の整備などを求める意見書と、尖閣諸島に市議会議員自らが上陸して調査するとの決議であります。日本の領土問題の最前線で苦しんでいる方々の声であり、覚悟ある意見書と決議だと言えます。他県でも同様の趣旨の意見書が可決されています。  沖縄の歴史は、琉球王国から沖縄県となり、アメリカに統治され、本土復帰した歴史があります。このような歴史を経てきた沖縄県民には、複雑な気持ちを持っている方も多くいらっしゃいます。そして、今回のような覚悟ある意見書と決議がされました。この声に対して、同じ日本人として一緒に声を上げなければなりません。尖閣諸島を領土として守り抜けるか、石垣市民が尖閣諸島周辺海域で安心、安全に漁労ができるようになるかが大きな問題であります。  尖閣諸島は、歴史的にも、国際法上も、日本の領土であることは明らかであります。フィリピンは、中国に南沙諸島を奪われました。この事例を見れば、中国は海洋進出のもくろみがあり、また、尖閣諸島の領有権を主張、前例のない領海侵入を繰り返していることから、あわよくばこれを奪取しようという意図があることに議論の余地はありません。  米国は、日本を支援するとの考えも示していますが、米国に頼らずとも、領土を守るために自らの努力は必要であります。現在無人となっていますが、中国に占拠された場合、奪還は容易なものではありません。  平和は、あらゆる状況を分析し、あらゆる努力を払ってようやく実現できるものであります。平和を維持するには、平和なときにこそその備えを怠ってはなりません。冷静な分析によって、世界情勢や地政学的な観点、あらゆる事象とその奥にある事実を見極め、そうして手に入れた全体の視点こそが国家間の衝突を食い止めるために役に立つものであります。  我が国の領土を守り、石垣市民の暮らしと安全を守り、平和を守るためには、本意見書に挙げた事柄を実行し、抑止を強めるしかないということを申し上げ、提案の説明といたします。 ○議長(小池清 君)以上であります。  お諮りいたします。本案については、会議規則第44条の規定により委員会付託を省略いたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。       〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(小池清 君)御異議なしと認めます。よって、本案は委員会審査を省略することに決定いたしました。  本案につき質疑をいたします。  小林東一郎議員から質疑の通告がありましたので、発言を許可いたします。  小林東一郎議員。       〔37番小林東一郎君登壇〕 ◆37番(小林東一郎 君)議第6号「尖閣諸島の有効な支配を求める意見書案」の提案者である宮本衡司議員にお伺いをいたします。  中国が尖閣諸島周辺の日本領海内に公船で侵入を繰り返しており、近年は、大型公船を投入するなど、我が国がその都度抗議を行っているにもかかわらず、動きを活発化させています。このような威嚇行為が看過できない問題であることは言うまでもありません。  その一方で、米国が進めるエアシーバトル構想、その見直しであるオフショアコントロール戦略に従い、我が国が自衛隊による中国封じ込めを図っていることも周知の事実です。米国の戦略は、西太平洋における米国覇権の維持、具体的には台湾防衛ですが、そのために、日本列島を日米安保の盾とするものです。  さらに、エアシーバトル、オフショアコントロール戦略の後継として打ち出されている海洋プレッシャー戦略では、九州、沖縄、台湾、フィリピンを結ぶ第一列島線内に中国軍を押し込めるのに、直接米軍が手を下すことなしに、同盟国が玉砕覚悟で中国軍と戦争するという図式が描かれており、そのような文脈で、宮古、石垣、与那国、奄美などへの自衛隊基地の建設が進められています。また、辺野古新基地の建設もそれらの戦略に沿って進められているもので、当時の稲田防衛大臣もこれを認めているところです。  以上のことから、尖閣諸島周辺での中国公船の度重なる領海侵入は日米と中国の対立がもたらしているとも考えられますが、そのことへの認識を伺います。  意見書案において、現在は無人となっている尖閣諸島周辺が中国により占拠された場合、これを取り戻すことは多大な困難や危険が伴うとされています。事実、防衛省が石垣島を舞台にして離島奪還を研究した機動展開ワーキンググループの中間報告では、残存率30%になるまで、言い換えれば、損耗率70%まで戦闘を継続としています。この損耗率は、さきの大戦の沖縄玉砕戦に等しいもので、自衛隊員の犠牲を強いるものです。  そこで伺いますが、意見書案の願意実現により、むしろ日中間の緊張がさらに高まり、中国政府の出方次第では有事に発展することが懸念されるのですが、いかなるお考えですか。       〔43番宮本衡司君登壇〕 ◎43番(宮本衡司 君)2点お尋ねをいただきました。  尖閣諸島周辺での中国公船の度重なる領海侵入は、日米と中国の対立がもたらしているものと考えられる。そのことへの認識ということでございますが、単純にその対立だけが侵入をもたらしているという、その可能性もございますが、しかしながら、あらゆる要因がある、それを考慮する必要があるのではないかというふうに思います。  二つ目の、意見書案の願意実現により日中間の緊張がさらに高まり、中国政府の出方次第では有事に発展することが懸念されるがいかがお考えかというお尋ねであります。  中国政府の出方次第で有事に発展する懸念は常にあり、これをいかに平和的に抑止するかが重要と考えます。  以上であります。       〔37番小林東一郎君登壇〕 ◆37番(小林東一郎 君)我が国政府は、尖閣諸島に領土問題があることを認めていません。しかし、歴史的には、1972年の日中国交回復交渉において尖閣問題は先送りとされました。また、1918年に、当時の安倍首相が訪中した際の首脳会談で、懸案事項の解決に向けた道筋が確認され、東シナ海を平和、協力、友好の海とする決意が改めて表明されていますが、そのことと意見書案の整合をお示しいただきたいと思います。  また、宮本議員は、提案説明で沖縄の応援との意図を示されたのですが、沖縄県議会は、本年7月28日に、尖閣諸島周辺海域での中国公船による漁船追尾等に関する意見書を可決しています。そこでは、尖閣諸島周辺海域における中国公船による本県漁船への追尾、威嚇行為などを行わないよう中国政府に働きかけるとともに、平和的な外交によって中国との関係改善を図りながら、冷静かつ毅然たる態度で領海、排他的経済水域における安全確保について適切な措置を講ずることが要請されています。平和的な外交にのっとっての両国関係の改善があくまでも前提と読み取れます。ところが、意見書案では、そのことが一切触れられておらず、沖縄県議会の求めとは一線を画するものとせざるを得ないのですが、認識をお聞かせください。       〔43番宮本衡司君登壇〕 ◎43番(宮本衡司議員)2回目の御質問をいただきました。  東シナ海を平和、協力、友好の海としたにもかかわらず、この意見書案では整合性が取れないということでございますが、平和をいかに実現するかの考え方が異なることはあっても、あくまで平和的に安全を確保するためのものでありますので、整合しているものと考えます。  また、沖縄県議会の求めとは一線を画するのではないかということでありますが、日中間の関係改善は当然望まれるべきと思います。その上で、まさに当事者である石垣市の皆さんに寄り添った視点も重要であり、本意見書案を提出いたした次第であります。  以上です。       〔37番小林東一郎君登壇〕 ◆37番(小林東一郎 君)先ほど安倍前首相の訪中を1918年と申し上げましたが、2018年の誤りであります。失礼いたしました。  ただいまの宮本議員のお考えでは、石垣市が採択した意見書、これが願意の基調である。そこから現況を勘案して、沖縄県議会が適切な措置としているもの、これを具体的に尖閣諸島の日常の活動拠点とする、そのための有人化、灯台や避難港等の整備、海上保安庁と自衛隊の連携強化といった、これは、県議会レベルで、沖縄県議会の意見書には存在しない、より具体的な形で導き出された、沖縄の民意はそれを望んでいるとの取りまとめかというふうに受け取ったわけでありますが、それでよろしゅうございますか。       〔43番宮本衡司君登壇〕 ◎43番(宮本衡司 君)我々は、今が平和であれば、何もしなくてもこれからも未来永劫平和だという考えではありません。平和を守るためにはあらゆる努力をしなければならないと考えます。  国の最大の責務は、外敵に国土を脅かされることのなきよう万全の体制を構築し、もって国民の日々の暮らしを守ることに尽きると思います。そのために、国としてあらゆる手段をもってこれに当たることは言うまでもありません。  この意見書は、今や尖閣諸島周辺の漁獲高ゼロにも等しい漁師たちの生活圏、生存権をいかにして守るか、状況に応じた具体的措置を国として常に議論してほしいと思う彼らの悲痛な叫びを代弁したものであります。そのことを御理解いただきたいと思います。 ○議長(小池清 君)以上で質疑は終局いたしました。  本案につき討論をいたします。  高村京子議員から討論の通告がありましたので、発言を許可いたします。  高村京子議員。       〔47番高村京子君登壇〕 ◆47番(高村京子 君)議第6号「尖閣諸島の有効な支配を求める意見書案」に反対の討論を行います。  尖閣諸島は、1895年(明治28年)、日本政府の閣議決定によって日本の実効支配が行われてきました。戦後の一時期、沖縄県はアメリカの施政権下に置かれましたが、1972年に尖閣諸島を含む沖縄県の施政権が日本に返還され、同年9月には日本と中国が恒久的な平和友好関係を確立する日中国交正常化を実現しました。このとき、中国から2頭のパンダが日本に贈られ、人気を博しました。その後、1978年8月、日中平和友好条約が締結され、日本と中国との交流は大きく発展してきました。  日本共産党は、沖縄の施政権が返還された1972年に、尖閣諸島が歴史的にも国際法上も日本が領有している明確な根拠があることを明らかにしてきました。しかし、中国は、間もなく大量の漁船等で諸島周辺に襲来することを重ねるようになりました。しかし、日本政府は、そもそも領土問題は存在しないと突っぱねて、中国側との交渉を避けてきました。  日本共産党は、2010年に改めて領有の正当性について明らかにした声明で、日本政府と中国を含む各国に我が党の見解を伝えてきています。  中国の公船が尖閣諸島の領海侵入の上に、日本漁船に接近、追尾するなどの行動を繰り返していますが、日本の領海に対して力によって現状変更を迫る行為は、国連憲章などが義務づけた紛争の平和的解決の諸原則に反する行為であり、日本共産党は、中国に対し厳しく抗議してきました。
     解決に当たっては、歴史的事実と国際法に基づく冷静な外交的話合いに徹することが重要です。紛争をエスカレートさせる行為は厳に慎むことが必要と考えます。那覇市の海上保安本部は、物理的な対抗手段に出れば中国側に口実を与える状況がエスカレートしかねないと慎重な姿勢を示しています。  本意見書案で、漁業者や国民の安全を心配する思いは共有するものですが、具体的な要請は、有人化の検討や灯台の整備、領海侵入に対する監視や抑止を強めることを求める内容となっています。このような対応を取ることは、今以上に中国側の対応を硬直させ、ますます問題解決への糸口を失うことを危惧いたします。  日本政府と中国政府に対し、1978年に交わした日中友好平和条約の原点に立ち、あくまでも平和的な話合いを重ねる外交努力を強く求めます。よって、本意見書案には反対いたします。  以上、議員各位には、反対する立場に賛同をお願いし、討論といたします。 ○議長(小池清 君)以上で討論は終局いたしました。  本案を採決いたします。  この採決は、議長が必要と認めますので記名投票をもって行います。  議場の閉鎖を命じます。  ただいまの出席議員数は、議長を含めて56人であります。  念のため申し上げます。本案を可とする議員は白票を、これを否とする議員は青票を、点呼に応じて順次投票願います。  点呼を命じます。       〔職員氏名点呼・投票〕 ○議長(小池清 君)投票漏れはありませんか。       〔「なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(小池清 君)投票漏れなしと認めます。  投票を終了いたします。  開票を行います。       〔開 票〕 ○議長(小池清 君)投票の結果を報告いたします。   投票総数   55 票   白  票   28 票   青  票   27 票  以上のとおり白票が多数であります。  よって、本案は原案どおり可決されました。  議場の閉鎖を解きます。       〔参 照〕   原案可決を可とする者の氏名     山 田 英 喜  大 井 岳 夫  丸 茂 岳 人  竹 内 正 美     竹 花 美 幸  宮 下 克 彦  大 畑 俊 隆  共 田 武 史     丸 山 大 輔  酒 井   茂  堀 内 孝 人  石 和   大     依 田 明 善  山 岸 喜 昭  丸 山 栄 一  宮 本 衡 司     清 沢 英 男  垣 内 基 良  鈴 木   清  西 沢 正 隆     風 間 辰 一  佐々木 祥 二  向 山 公 人  平 野 成 基     本 郷 一 彦  萩 原   清  服 部 宏 昭  望 月 雄 内   原案可決を否とする者の氏名     熊 谷 元 尋  望 月 義 寿  小 林 君 男  清 水 正 康     加 藤 康 治  川 上 信 彦  寺 沢 功 希  花 岡 賢 一     池 田   清  山 口 典 久  小 山 仁 志  髙 島 陽 子     荒 井 武 志  埋 橋 茂 人  続 木 幹 夫  中 川 博 司     両 角 友 成  中 川 宏 昌  清 水 純 子  小 池 久 長     小 島 康 晴  小 林 東一郎  毛 利 栄 子  和 田 明 子     諏 訪 光 昭  高 村 京 子  宮 澤 敏 文          ━━━━━━━━━━━━━━━━━━ △議員提出議案 ○議長(小池清 君)次に、議第8号「外国人留学生の資格外活動に係る制限の緩和を求める意見書案」を議題といたします。  提出者の説明を求めます。  宮澤敏文議員。       〔48番宮澤敏文君登壇〕 ◎48番(宮澤敏文 君)議第8号の議案説明を申し上げます。  世界一の国民総幸福量を誇るブータンから留学した学生は、日本語学校の授業料、隣国インドにある日本大使館への入国手続の費用、3か月分の日本語学校指定のアパート代として140万円を支払って、希望に胸を膨らませて、2018年4月、本国に留学しました。一緒に留学した5名と同じアパートの一室で共同生活をし、1年目は週28時間のアルバイトで学業に励んでいました。ところが、1年後の5月、共同生活をしていた3人の学生が突如帰国。残された2人の学生は、月10万円を超えるアパート代と光熱水費の支払いができず、電気も水道も止められ、この代金は母国からの送金で補ったものの、8月から、9時から12時までホテルの清掃アルバイト、13時から16時まで100%近い出席率で日本語学校で学び、18時から居酒屋のアルバイトで乗り切りました。  この留学生は、4月から長野県でIT技術を学び、国や県が進める多文化共生推進の先頭に立ち、地域住民や中学校、高校での交流事業に取り組んでいた8月、日本語学校時代のオーバーワークで国外退去の命令書が届きました。  また、ネパールからの留学生は、一緒に来日した姉妹が病気になり、1年間、医療費を支えるためにオーバーワークをしました。  この二つの事例、二十歳を超えたばかりの女子留学生が、頼る人もいない異国で必死に生活し、学ぼうとする姿に熱いものが込み上げてまいります。  留学生のアルバイトは、出入国管理局の資格外活動の許可を受けなければなりません。資格外活動許可は、1998年、週28時間と出入国管理及び難民認定法施行規則で決定し、22年たった現在もその規定が適用されています。単純計算しても、週28時間のアルバイトでは、仮に時給1,000円としても、年間の額は130万円ほどにしかなりません。学費どころか、アパート代、光熱水費を支払えばほぼ終わってしまう額であります。仕送りがある日本の学生ですら週28時間のアルバイトでは首都圏では暮らしていけない日本国の現状であります。  オーバーワークが起因し、消えた留学生になっている、これも事実であります。改正から22年がたって、21世紀に入り、日本の社会の変化する現状に即したものではありません。法律を守る留学生も、日本人の雇用する者も、その多くが改正を望んでいます。  数ある留学先の中で日本国を選択して来日し、日本語も習得し、日本文化を理解して頑張る留学生は、税金も国保も支払っています。富山県では、3年間の研修後、帰国を義務づけられている実習生から、将来の富山県づくりを考え、留学生の育成補助制度をつくり、外国人対策の基本を留学生に据えようとしています。  留学生の多くは、大学や専門学校で知識と技術を身につけ、日本に就職する学生が多く、将来の日本国の大切なパートナーであり、社会的要員での日本国民であります。大事に育てる配慮が必要であります。  世界の多くの国が、単なる人手不足の労働力扱いではなく、留学先の文化も理解する留学生の獲得に動いています。その中で日本を選んでもらうために、現場のありさまを十二分に知り尽くした者の一人として、外国人留学生の資格外活動許可に関する制限の緩和を求める提案を申し上げます。御賛同をお願いいたします。 ○議長(小池清 君)以上であります。  お諮りいたします。本案については、会議規則第44条の規定により委員会付託を省略いたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。       〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(小池清 君)御異議なしと認めます。よって、本案は委員会審査を省略することに決定いたしました。  質疑の通告がありませんので、本案につき討論をいたします。  山口典久議員から討論の通告がありましたので、発言を許可いたします。  山口典久議員。       〔14番山口典久君登壇〕 ◆14番(山口典久 君)議第8号「外国人留学生の資格外活動に係る制限の緩和を求める意見書」に反対の討論を行います。  厚生労働省が公表している外国人雇用状況の届出状況によると、昨年10月末現在で、永住者、定住者などは53万人、技能実習が38万人、そして留学は33万人に上ります。  この間、外国人労働者は、人手不足解消策として受入れが拡大されてきましたが、言葉のハンディなどもあり、最低賃金を割り込む低賃金で働かされるなど、様々な人権侵害が社会問題になってまいりました。  特に、留学生は、学費や留学あっせん業者への支払いで多額の借金を抱え、生活費や借金返済、次年度の学費を賄うために、劣悪な条件でもダブルワーク、トリプルワークで働かざるを得ない実態があります。  また、現地のブローカーや、一部の大学や日本語学校の不当な留学生ビジネスが横行する中で、3年間で1,400人の外国人留学生が所在不明となった事件も生じています。  新型コロナウイルス感染拡大の影響で学生のアルバイトが減り、政府は学生支援緊急給付金制度をつくり、学び続けることが困難な学生に10万円から20万円を給付していますが、留学生には成績が優秀であることなどの条件が加えられたことは差別的との指摘もあります。  今問われているのは、事実上、留学生を使い勝手のよい安い労働力としてきた外国人労働者の受入れ政策そのものです。この問題に根本的なメスを入れぬまま資格外活動の制限を緩和することは、将来に重大な禍根を残しかねず、賛同することはできません。  留学生の生活と学びを支える手厚い支援こそ求められていることを申し述べて、討論といたします。 ○議長(小池清 君)以上で討論は終局いたしました。  本案を採決いたします。  本案、原案どおり決するに賛成の議員の起立を求めます。       〔賛成者起立〕 ○議長(小池清 君)起立多数。よって、本案は原案どおり可決されました。          ────────────────── ○議長(小池清 君)次会は、来る10月9日午後1時に再開して、各委員長の報告案件を日程といたします。書面通知は省略いたします。  本日は、これをもって散会いたします。         午後3時51分散会...